■意識が向く先

身体の使い方のひとつに
「目線を上げると悲しめない」
があります。

目線を水平より上に向けると
悲しむことが難しくなります。

試しに上を向いて
「なんて最悪なんだ」と
言ってみると、
なんだか冗談のような感じです。

悲しいときに
悲しむなら下を向く。
悲しいけど前へ進むなら
上を向く。

身体の使い方で
意識が向く先が
変わります。


■未来感覚を選んでみる

「前」や「上」は
未来感覚な方向です。

生産する
建設する
創造する

進める
積み上げる
生き抜く

赤字の試算表を見て
下を向く経営者は
「悲しい」「苦しい」と
過去を感じやすいですが、

同じ赤字の試算表を見て
上を向く経営者は
「困難を乗り越える」
「必ずよくなる」
「大丈夫、なんとかする」と
未来を感じやすいです。

親に何か言われて傷ついて
下を向いていると
「どうせ自分なんか」
「なんでわからないんだ」と
否定的な方向や過去に
意識が向きがちです。

同じことを言われても
上を向くと
「親は親、自分は自分」
「嫌な人より好きな人にかかわろう」
など肯定的な方向や未来に
意識を向けることが楽になります。


■自分責めるAさんの場合

いつも自分を責めてしまうAさん。

夫は家にいないし
子供は言うこときかないし
もうこれ以上どうすればいいのか。

自分も仕事があるのに
家事の役割分担は
100%が自分。

こんな状況にしたのは
自分なんだよね。
改善したいけど、
どうしたらいいのだろう...

そんな状況のときに
お会いしました。

「Aさん、いつも下向いていませんか?」

「え?」

「下です。顔や目線が水平より下。」

「え?あ、はい。
う~ん、言われてみればそんな気が」

「試しに見上げながら
最近あった悲しいことを
話していただけませんか?」

そうして見上げながら
話すAさん。

「あれ?」

「どんな感じですか?」

「胸が苦しくないんです。
なんで?」

違和感を感じるAさん。

さらに話していると
「なんでだろう?
なんとかなる感じがします」

可哀そうな自分の話でもなく
悪いあの人の話でもなく
「これからどうするか」が
湧き出てくる感じ。

「でも変な感じなので
すぐに下を向きたくなります」

「そこをちょっと我慢して
見上げ続けてみてください」

そうして話を続けるうちに
「なんだか腹が立ってきました。
夫に言ってやります。」

「子供に振り回されてる
場合じゃないと思うんです」

目が輝いてきます。
言葉の力が強くなります。

「全部が自分のせいじゃないのに
自分が悪いと思ってました。
もういやなので変えます」

最初にお会いしたときとは
ガラリと変わった感じ。

「目線を上げる」の力は
たいしたもんだと感じました。

※Aさんは架空の人物です。
 内容は過去の常楽の
 いろんなセッションを
 再構成したものです。



■上と下を使い分けられる自分

悲しいときは
悲しむのが自然なので
目線を下げて
底につくまで悲しむと
落ち着いたりします。

でもずっと目線を下げてると
否定的になりがちだったり
自分ばかりを責めてしまいがちです。

ちょっと強引にでも
目線を上げながら
思考・行動すると
使う回路が変わったかのような
変化を感じます。

賢く使い分けることで
感じるしあわせを増やすことに
確かに役立ちます。



お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。


《関連記事》
勘違いなんかコメディにしてしまえっ
一緒に歌うと、あたたまる
刺激に味付けをしているのは、私
トラウマは、ただ「トラウマ」