平和な家庭は
親のルールでなく
家族のルールで
運営されています。



親が決めたルールを
子に守らせるのではなく、

家族の合意の下に決めた
家族のルールを
家族全員が守ります。



親が決めたルールを
一方的に子供に押し付けたら
子は反発するでしょう。

子は親に
そのルールを
守っているように見せることに
一生懸命になるかもしれません。

親が決めたルールなので
親は自分の旗色が悪くなると
急にルールを変えたり
例外を作ったり
「親はやってもいいの」との
特別ルールを付け加えたりできます。

この状況は
単に支配者と被支配者の
関係を深めていくことに
なってしまいます。

支配-被支配の関係は
上下関係であり
対等な関係ではありません。

親は上(支配者)を維持するために
それを目的とした努力が必要です。

この努力は対等な関係では
必要ありませんから、
対等な関係でいるよりも
やることが多いです。

子は下(被支配者)に
され続けるため
不公平を感じて
不満が増えていくでしょう。

親が
ルールを忘れたり
間違ったり
ねじ曲げたりしたときには
子は怒りの感情を感じます。
とても大きい怒りを。

つまり、
親が決めたルールで
家庭を運営しようとすると
「家庭の平和」よりも
「親の平和」が目的に
なりやすい状況です。



一方で
家族の話し合いで決めた
家族のルールなら、
そのルールの前には
親も子も同じです。

ルールを変えるには
家族の同意が必要なので
親が変えたくても
子が反対なら変えられません。

例外をつくりたくても
親を特別扱いするルールを
つくりたくても
同じです。

親にしたら
不自由さを感じる状況ですが
その不自由さがあるからこそ
子もルールを尊重しやすくなります。

親だけでなく
子の意思も反映されていますから
子もルール運営に
参加しやすいわけです。

子の成長や
環境の変化で
状況は変わっていきますから、

その都度、
家族で話し合いの場を持ち
全員の同意の下に
ルールを更新していけたら
そのルールの目的は
「特定の誰かの平和」ではなく
ずっと「家庭の平和」のままに
なります。



私の親は
「親のルール」の人です。

子から発案があっても
親の都合の良いものは
「親の案」として採用され、
親の都合の悪いものは
検討すらせずに捨てられます。

今も印象深いのが
「家の中の物の配置」です。

家族全員の了解もなく
父親はあちこちに私物を
置きます。

「ここは家族みんなの場所だよ」と
父親自身が言っている場所、

例えば階段だったり
ダイニングだったりする場所にも
父親の私物は
「自分は置いてもいいの」との
特別ルールをつくって
父親の好きに置いてました。

階段は一番下から上の段まで
すべて半分が
父親の私物に占領されてます。

狭いダイニングの椅子の下や
テーブルの下にも
父親の私物が置かれます。

いくら母親が嫌がっても
子が「自分ばかりずるいよ」と
公平を主張しても
聞く耳持たず。

母親は実家から
「嫁に行ったのだから戻ってくるな」と
言われているため
父親に追い出されると
行く場がない。

だから強く言うにしても
機嫌を損ねない程度に言うだけ。

母親の私物はすべて
父親から与えられたもの、みたいに
父親は解釈していたので、
母親の物の置き場所は
父親が決めていた。

母親はそれを受け入れることで
生き延びようとしているように
見えた。

子の中で
不公平だと言い続けたのは
私だけ。

でもあんまり強く言い続けると
「見捨てるぞ、それでもいいのか?」と
脅されるので、やっぱり
父親に影響を与えるところまでは
言えずにいた。

父親の独裁体制。
家族の不満の上に築かれた
父親ひとりの満足。

そんな父親は
自分は完璧な善人だと信じていたし
よくそう言っていた。
まったくそう見えなかったけど。



私以外の家族は
そんな父親を
受け入れていたよう。

でも私は
受け入れられず
ずっと不満を感じていた。

他にも
「親のルール」で
運営されていたのに
親は親で
「家族のルール」、
すなわち
家族の同意を得ていたと
確認もせずに信じ込んでいた。

何度も話し合いを持ちかけたが
なしのつぶて。

この親が運営する家庭では
私はしあわせにはなれないとの
確信ばかりが深まっていきました。



3人のお子さんがいる
Oさんご家族。

親であるOさんは
お子さんの話をきいて
自分の考えも話して
その上で家族みんなの了解を得てから
ルールを決めるそう。

どうしてそうしているのかは
自分が子の立場だったら
親にそうしてもらったら嬉しいから
だそう。

お子さんたちの
底抜けに明るい笑顔に
その成果が見えます。

親として辛いときもあるけど
対等な関係を堅持し続けると
逆にお子さんたちは
そんな親の立場を察して
やさしいことを
言ってくれたりすることも。

そんなときは
涙が出ちゃうそうです。

ああ、
しあわせですね。
今書いてる私も
しあわせ感じてます(笑)

憧れます!



競争や戦いがあると
それに勝つことが
目的になりがちです。

上下関係では
そんな状況になりやすい。

でも、平和な状況では
対等な関係が育ちやすく、
そもそも勝つも負けるも
ありませんから、
「やりたいことをやる」
「なりたい状況になる」などが
目的になりやすい状況です。

手段が目的にならず
手段は手段のままに
なる感じです。

家庭も、同じですね。



お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。


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