家庭で親と一緒に居て
苦しくなるのは、

親と同じような価値観を持ったり
考え方をしないと
「悪」とされてしまうからです。



家庭を支配する大人2人から
「悪」と扱われてでも
親と違う価値観や考え方を
貫くのは大変です。

親を悲しませたくないし
親に見捨てられたくないので
「悪」から「善」になるべく
自分も親と同じような
価値観を持ったり
考え方をしたりして
生き延びようとします。

そうして
家庭で生きる限りは
自分らしく生きたいことと
生き延びたいこととの
板挟み状態が続いてしまいます。



家庭は閉鎖空間なので
親は自分の支配を崩さないためにも
外部の価値観や考え方を
遮断したくなります。

家庭は親の王国です。

自分の王国では
自分がルールです。

自分の都合が悪くなったら
ルールを変えてしまえば
自分は「悪」になることは
ありません。

「他人は他人、うちはうち」と
他人の価値観や考え方が
自分の家庭と違うことも
織り込んでしまえば万全です。

子が「善」の条件を満たしても
親それを「悪だ」と決めれば
「悪」にすることができます。

さらには
どんなに旗色が悪くなっても
「見捨てる」という切り札が
あるので、心配いりません。

子が正当なことをいくら言っても
「見捨てる」の可能性を示せば
子は黙ります。

自分の王国ですから
自分はどこまでも
「善」のままでいられます。

子が家庭だけを
居場所にしている限りは
王国の支配は続きます。



こんな苦しい状況を抜け出して
楽に自分らしく生きるには
「家庭」という共同体以外の
居場所を見つけることです。

自分の価値観や考え方そのままに
そこで自分が役に立つことで、
そこが自分の居場所となります。

自分の価値観や考え方を
曲げることなく居られるので
家庭で感じた苦しい思いは
そこにはありません。



シャープの創業者、
早川徳次が1915年に開発した
"早川式繰出鉛筆"。

はやかわしき
くりだしえんぴつ、と
読みます。

シャープペンシルのことです。

便利なのに当時の日本では
売れなかったそうです。

そこでアメリカに
持って行ったら
爆発的な大ヒットに。

その噂を聞いた日本は
アメリカから輸入して
日本でも普及したそうです。



もしも、開発してから
日本だけで活動していたら
この商品も消えていたでしょう。

アメリカに持って行ったからこそ
世界的な商品となったわけです。

自分の価値観や考え方も
シャープペンシルのように
家庭内ではダメでも
家庭外のどこかでは
必ず共感されます。

家庭外の場で大活躍したら
家庭内だけで生きてる親も
今まで「ダメ」としていた
親と違う価値観や考え方も
「それもあるね」と
考え方を変えざるを得ません。

親を変えることは
目的ではありませんが、
家庭外で
家庭内に居ることが
ちょっとは楽になるかも
しれません。



家庭という共同体は
社会という共同体の一部です。

その社会の中には
家庭以外のたくさんの
共同体があります。

家庭だけで生きていると
その家庭でのルールに
従わないと悪者になります。

そのルールは親が
生き延びるために役立つと
思ってつくったものです。

自分は親と違います。
親のルールそのままに
従っても生き延びられるとは
限りません。

自分が生き延びるには
自分にふさわしい方法が
あります。

それは家庭内に
いるだけでは
わかりにくいでしょう。

社会にある
家庭以外の共同体の
いろんなルールに触れることで
自分の方法が見えてきます。

自分が家庭を持ったときに
その方法はきっと役立ちます。

あとはその方法を
随時状況に応じてふわさしく
最新のものに
更新し続けることができたら
ずっと楽しく
暮らせそうですよね。





お読みいただき、
ありがとうございます。

プロコーチ8年目、常楽でした。



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