京阪神緩行線の普通電車にするため、鉄道コレクションの大糸線色のクハ68017(元クロハ59)のボディをぶどう色2号に前回塗替えましたが、前作のクロハ69と連結しても矛盾しない姿に加工することにしました。

 

ぶどう色2号に塗り替えた鉄コレのクハ68017(元クロハ59)。なお、窓ガラスは青色窓枠のまま仮装着しています。

 

京阪神緩行線時代のクハ68001 (1964年3月 京都駅)

 

クロハ59から格下げされた車両はクハ68001~68023(奇数のみ)の12両があり、京阪神緩行線で使用されていたクハ68001を昭和39年に撮影したこの写真を参考に、同線でクロハ69が青帯の1・2等合造車として活躍していた昭和35年~36年頃を推定して再現することにします。

 

 

製品ではHゴム化されている助手席窓と運行番号表示部を原形に戻すと共に、運転席窓の上方にヨロイ戸形通風器を追加すれば、写真撮影した昭和39年当時の姿になります。その数年前になる昭和35年~36年頃の姿は、運転席窓も原形であった可能性が高いと推定しました。

 

同じ大糸線セットのもう一両のクモハ43800には原形の表情が残っており、再現しようとしている姿に近いことです。そこで、クモハ43800の前面ガラスを転用するか、極論ですが前面を移植すれば、前述の目的が叶います。どちらにせよ必要になる前面ガラスを取り外すことにしました。

 

窓ガラスは、外すのに非常に難儀しました。

手順として、最初に前面と連結面の貫通部に嵌めてある両方のホロを外します。ホロは貫通扉上部と踏み板下部に開けてある横長の穴を介して車体に止められています。

 

ホロの上下に取付爪があって、上側の取付爪(写真では奥側)には下方に向けてロック機構が設けてあり、下側の取付爪(写真では手前側)にはロック機構がありません。ホロを取り外す際には、先に下側の取付爪を車体内側から押し出してホロ下部だけを抜き出しておき、更に上側の取付爪を、車体内側の下方から押し上げてロックを外してから押し出すことで、ホロを車体から取り外すことが出来ます。上側取付爪のロック機構は、妻面の窓ガラスの固定機能も兼ねているため、窓ガラスを外すには、ホロを最優先で外す必要があったのです。

 

側窓ガラスは、車体の四隅で妻面ガラスと車体の隙間に押し込んで固定してあります。

 

側窓ガラスから外していきます。側窓を車体内側に倒して側窓との勘合を開放してから、側窓ガラスを妻面ガラスと車体の隙間から抜き出すために、妻面ガラス側を支点に斜めに持ち上げて強引に引き抜きます。この時、側窓ガラス自体を破損しないように力加減をする必要がありますが、車体を左右に押し広げながら引き抜くのがコツです。

 

向い合う側面ガラスも同様に引き抜くことができれば、妻面ガラスは比較的簡単に外せるのですが、今回は向い合う側面ガラスの勘合が非常に硬くて引き抜くことが出来ませんでした。

 

仕方なく妻面ガラスを強引に引き抜くことにしました。前面ガラスの場合はテールライトも一体成型されており、テールライトを前面外側から爪楊枝で押して車体内側に抜き出しておきます。この状態で前面ガラスをニッパーで摘まんで力任せに引き抜きました。

 

前面ガラスには、運転席・助手席の各窓上部に凸部が形成されていおり、車体天井の角穴に挿し込まれているだけなので引き抜くことが出来ましたが、強引過ぎて一部破損しました。

 

それぞれの車両から抜き出した前面ガラスで、左側が無傷のもの、右側が破損したものです。破損したのは、貫通扉の窓の下方に形成されていた「へ」の字形をした部分で、ヘッドライトを点灯仕様に改造する際の隠しパーツだったようで、強引に引き出す前に切り離しておけば良かったようです。前面窓部分には幸いにも損傷がないので、このまま使用できます。

 

苦労して全ての窓ガラスを取り外すことが出来ました。

 

窓ガラスを外す作業は、実は三日掛かりの難作業でした。逆に良く考えられた組立構成で、このように改造ネタとして分解することは想定されてないでしょうから仕方がありません。ホッとして疲れが出ましたので、今夜はここで作業中断することにします。(続く)

 

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