クロハ69の連結相手とするクモハ51とクハ68は、屋根周りの塗装が終わりましたので、ボディの塗装にも着手します。
屋根板とベンチレーターの塗装が終わった前回の状態です。ベンチレーターと屋根の間に隙間がなく、ベンチレーターが屋根に貼り付いて不自然ですので、スペーサーを挿入して浮かせることにします。
スペーサーに相当するものとして、屋根板に設けられた段差のサイズ・厚さを、各社の代表的な製品で確認しました。(→参考記事)
屋根板に段差が形成されている製品です。上から順番に、
①GM製キットのモハ70では、直径3.5mm・厚さ0.4mm、
②KATO製のモハ103現行品では、直径4.0mm・厚さ0.4mm、
③TOMIX製のクモハ73全金車では、二層構成になっており、下側が直径4.0mm・厚さ0.2mm、上側が直径3.0mm・厚さ0.2mmでした。
何れも、直径はノギスで計測した数値、厚みは屋根カーブで位置により変化するため、前後方向のセンターラインを基準として、0.2mm厚・0.3mm厚・0.5mm厚のプラ板を添わせて指先で高低差を確認することで得た推定値です。
GM製キットのモハ70(一体成型ボディの製品)に添付されたグローブベンチレーターでは、裏面に段差が設けてあり、直径3.8mm、厚さ0.4mmです。
各社製品で段差の直径は微妙に異なりますが、厚さは何れも0.4mmでした。そこで、スペーサーとしては、中央に穴の開いたドーナツ形の円板で、直径4.0mm・厚さ0.4mmとするのが良さそうです。一方、使用するGM製の新型グローブベンチレーターは、取付脚の直径が2mmですので、スペーサーには2.0mm以上の穴径が必要です。
候補として挙げられるのが、2mmネジに使用する金属製のスプリングワッシャと平ワッシャで、何れも直径が4.0mm、中央の穴径が2.2mmとピッタリです。スプリングワッシャは、更に厚さが0.4mmとドンピシャながら、本来の機能から円周上でネジレが作ってあり、ネジレ癖を平坦に戻して使用するのは難しそうです。一方、平ワッシャは、厚さ0.25mmと薄くて、2枚重ねにすると厚さ0.5mmと僅かにオーバーします。2枚重ねにして仮装着してみましたが、ベンチレーターが浮き過ぎた感じがします。何れも、帯に短し襷に長しで残念です。また、プラネジ用の樹脂製ワッシャーはどうかと探しましたが、厚さの点で使用できるような物は見つかりませんでした。
最後に行き着いたのがこちらです。
模型素材として一般流通しているプラ製パイプで、外径4.0mm・穴径2.2mmの物です。色もグレーなので塗装も不要と好都合で、これを厚さ0.4mmに切断して使うことにしました。購入したのは、ウェーブ(WAVE)製(国産)の「プラ=パイプ(グレー)肉厚パイプ:外径4.0mm 5本入」(品番OM-242-350)です。
色々な切断方法を試みた結果、厚さ0.5mm位になる箇所にカッターナイフの刃を軽く当てた状態で、パイプを気長に転がすように回転しながら切断する方法が最も上手くいきました。切り出した破片を鉄ヤスリで厚さが均一で0.4mmになるように仕上げています。手間は掛かりますが、スペーサー作りの目途がついたので、一旦作業を中断しました。
天気も良く塗装日和ですので、塗装を先に済ませます。
クロハ69やクハ68001(元クロハ59)と同様に、FARBEスプレーのぶどう色2号(FS012) で塗装しました。
ついでに下回りも塗装してしまいます。
床下機器は、キット付属のパーツをそのまま使用しています。
台車の回転部分をマスキングしてから、全体を黒色の半光沢に塗装します。マスキング用として、10mm幅のマスキングテープを0.2mm厚のプラ板に貼って、事務用パンチで切り抜いたものを使用することにします。
パンチで切り抜いたものから、テープを剥がして床板に貼り直せば、サイズもピタリのマスキングが完了です。
Mr.カラースプレーのセミグロスブラック(No.92)で塗装し、台車装着部分のマスキングテープを剥がしました。これで床板の準備も出来ました。
グローブベンチレーター用のスぺーサーが、まだ必要数準備できていませんので、この加工作業に注力することにします。(続く)
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