KATOの80系がフルリニューアルされて、飯田線バージョンとして久々に発売されました。

従来製品のモハ80の車体を保有しており、下回りを今回発売品のASSYパーツを使用して完成させてみようと必要部材を購入しました。従来製品と改良製品では、パーツに互換性がない物があるのは当然で、過去に投稿した24系客車(→こちら)や115系電車(→こちら)でも、何らかの工夫や加工が必要でした。

さて、今回はいったい何が待ち受けているのか、事前情報なしに取敢えず着手してみることにします。

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今回購入したのは、床下セット(品番74102-1C)と台車DT20(品番74102-1D)です。モハ80の車体は、前述の通り従来製品(旧製品)です。

今回の購入部品を、従来製品のモハ80と簡単に比較してから着手することにします。

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従来製品の単品モハ80(T)(品番4350-1)です。これを分解して下回りの比較を行います。
 

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手前側が今回購入品の床下セット、奥側が従来製品です。全長・全幅に差は有りません。一寸見には、座席パーツの形状(室内灯の保持部)と色が変更されていることです。床下パーツ(黒色)は、側面の床上に立ち上がっている箇所(車体との固定爪や中央部の突起)の形状が異なっています。
 

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従来製品の窓ガラスを、購入品の床下セットに当ててみました。車体との固定爪は窓ガラスに設定された固定用の溝にキチンと掛かっており、側面中央部の突起の代わりに4本の脚で窓ガラスをピタリと支えています。これは期待できそうです!
 

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台車の取付方法が、従来のネジ止めからスナップ方式に変更されています。またカプラーが台車から床板に移されて、密連ながら最近の製品に多い電気連結器部分が無い部品に変更されて、相互に連結はできません。床下機器はほぼ同じ配置で特段の問題はなく、隣接する抵抗器の間が抜いてあり実感的になっています。
 

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パンタ側の連結面です。座席パーツの切欠き幅が、狭くなっているのが気に掛かります。
 

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非パンタ側の連結面です。特段の問題はなさそうです。

以上から、期待を持って床下セットを車体に組み付けてみます。

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床下は車体に固定されましたが、パンタ側の床板が車体からはみ出してしまいました。

 

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非パンタ側です。こちら側には、はみ出しはありません。

 

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連結面内部を確認すると、パンタ側貫通路の両側には縦桟があり、これが先程確認していた座席パーツの切欠きをクリア出来ずに当っているようです。内側に見える灰色の爪状の物は貫通ホロの取付爪です。

 

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この取付爪の下辺になる位置(約1mm)まで、縦桟を平刃のデザインナイフで削ぎ取りました。左側の長さで十分です。右側は0.5mmほど余分に切り過ぎましたが見えない所なので大丈夫! なお、ホロの爪を傷付けない様に、ホロを外してから作業しています。

 

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非パンタ側と同様に、下回りの車体からのはみ出しは、無くなりました。窓の埃の方が気になりますね。写真を見ていて、処置がまだ不十分と気が付きました。

 

下回りを装着した全体像を見て下さい。

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本来、水平であるはずの床板が、両側が僅かに持ち上がって湾曲しているのが判ります。まだ、両方の連結面側で何かが当っています。

 

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ホロ下辺とカプラーの間に注目して下さい。黒色の棒状の物が車体中心部に当っています。
両連結面とも同じ状況ですので、これが原因のようです。分解するとカプラーパーツでした。

 

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左側が今回購入した床下セットに装着されていたカプラーセット、右側がクモヤ90に取り付けられているカプラーセットです。カプラー自体の形状は異なりますが、取付台に差があります。

 

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見易いように向きを変えました。左側のモハ80用には上面の先端中央部に突起物がありますが、右側のクモヤ90用は上面がフラットで突起物がありません。この突起物が先程の写真で車体に当っていた物です。

試しに、突起物のないクモヤ90用をモハ80の床板に装着して、車体と勘合させて見ました。

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クモヤ90用のカプラーを取付けると、床板の湾曲が解消しました。突起物が原因と確定です。

クモヤ90用カプラー(品番4865C3)のストックはありませんので、モハ80用をクモヤ90用と同様の形状に加工します。突起物はクモヤ90用には無いので、突起物を取ってしまっても強度的には大丈夫と判断しました。

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奥側がモハ80用のカプラーセットを分解したところ、手前が取付台から突起物を削ぎ落したところです。モハ80用のカプラーセットは分解してから、取付台にある突起物を平刃のデザインナイフで削ぎ落としました。

 

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両側のカプラーで加工を済ませた下回りを車体に勘合。床板は綺麗に水平となりました。なお、旧製品と連結できるようにするため、カプラーを分解した際にフック付きの従来パーツに交換しておきました。

車両の組立が完了しました。

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左側が従来製品の単品車両、右側が下回りだけリニューアル製品を使用した今回の組立品です。何の支障もなく走行することが出来ました。

今回のリニューアル製品では、屋根上のベンチレーターが別パーツ化され、先頭車にはライトのON/OFFスイッチが追加されたようです。6両セットでは、サハ87300番台から改造されたクハ85100番台が新たに製品化されました。私が「KATO製品にないクハ85100番台の全金属車を作る」のタイトルで進めていた加工も、最後の塗装を残すのみ(→こちら)で、またまた製品に先を越されてしまいました。仕掛期間が長過ぎるからと反省しきりです。