KATOの113系・115系は長期間に渡り生産されており、2010年には一部改良がされています。
 

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KATOのクモハ115-1000番台です。塗装色は違いますが、左側が旧製品、右側が改良製品です。右側の長野色の発売時から、改良が適用されたと記憶しています。

 

違いが判り難いので湘南色に変えます。

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KATOのクハ111-2000番台です。左側が旧製品、右側が改良製品です。正面からの構図では、まだ違いが判り難いかも知れません。

別の角度から見てみます。

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奥側が旧製品、手前側が改良製品です。旧製品では車体と一体成型のヘッドライトケース、テールライトケース、タイフォン、ステップ、ジャンパ栓受けが、改良製品ではそれぞれの外周に僅かな隙間が見え、車体とは別部品化されているのが判ります。
 

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車体を分解すると、別部品化されたライトケース等が車体内側から嵌め込んでありました。


さて、ここからが本題です。今回も私の失敗事例です。過日、KATOのクハ111-2000番台の床板を交換しようとした時に、意外なことに気が付きました。事の経緯は、JR東海のクモハ113を作るべく、ASSYパーツのクハ111-2000の車体とクモハ115-1000の床下セット(何れも最新版)を利用して組立てたのですが、車体と下回りの付け・外しの際に床下機器を破損(折損)してしまいました。仕方なくストックしていた旧製品の床板に交換しようと試みましたが、下回りが車体に入り切らず、装着することが出来ませんでした。

上記の別部品化の影響が思わぬ所に出ていました。

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左側が旧製品の車体、右側が改良製品の車体です。改良製品では、ライトケース等が別パーツ化されたことにより、前面裏側の左右に別パーツの突起部が車内側に突き出しています。この突起部分に従来品の床板が当って前面まで押し込めず、装着できなかったのです。
 

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ライトの遮光ケースを外すと、別部品化されたパーツの装着状態が良く判ります。
 

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車体から外した下回りです。左側が旧製品、右側が改良製品です。ちょっと見は差がありません。
 

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ダミーカプラー付のスカートを外してみると、違いが明確に判りました。床板の先端部分で、左側の旧製品では車体前面に沿った形状をしていますが、右側の改良製品では別部品化されたライトケース裏面にある突起部分を回避するために、円弧形の切欠きが作られていたのです。
 

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台車を外すと部品番号が現れます。何れも4047(クハ111-2000番台の製品番号)と同一番号です。従って、部品番号からの識別はできないようです。

取付部品を外さずに、簡単にこれを見分ける方法がありました。

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表側の正面から見て、床板前面の形状で確認できます。右側が切欠きのある改良製品の床板です。写真だと判りますが、実際は良く見ないと判りません。判ってしまえばこれだけの事ですが・・・。

【結論】です。
・車体の見分け方:ライトケース周りに僅かな隙間があれば改良製品。
・床板の見分け方:先端部分に円弧状の切欠きがあれば改良製品。
・車体と下回り(床板)を混在しなければ問題なし。但し、旧製品の車体に、改良製品の床板なら装着は可能。
・改良製品の車体に旧製品の床板をどうしても使用せざるを得ないときは、切欠き加工すること(破損に注意)。

【おまけ】です。
そもそもは、クモハ115-1000番台の床板から、この騒動が勃発しました。

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左側が旧製品、右側が改良製品です。改良製品において、右側最前部の床下機器を折ってしまいました。接着剤で何度も接着したため床下面が汚くなっていますが、着目して欲しいのは折れた床下機器の厚さです。旧製品の半分以下となっており、床下接合面では更に薄くなっています。このため外圧に対する強度が極度に低下していたのです。車体から下回りを取り外す際に、この機器の表面を指で摘まんで力を加えたため、アッと言う間に悲劇が発生しました。きっと台車の回転を良くするために改良された結果なのでしょうが・・・・。
皆様、クモハ115-1000番台をメンテナンスされる際には、十分にご留意くださいまし。