【 県内アスリートの支援 】
すでにこれまでも何度かご紹介させて頂いたとおり、「エンダバン・プロジェクト」という社会貢献プログラムをはじめ、この町におけるビジャレアルCFの存在意義を追及しながらクラブ経営を実践している。
「エンダバン・スポーツ」という名の県内アスリート・スポーツ団体支援も、そのプロジェクトの一環で、2004年から20年近く活動を継続している。
一昨日、支援対象であるアスリートたちを一同に会し2023/2024シーズンのお披露目会を開催した。
今季は、グラスルーツや町クラブといった29の競技団体、総勢8644名のアスリートを支援することになる。
また同時に、23名のオリンピアンやパラリンピアンといったトップアスリート支援も行う。
これらの支援は、ビジャレアルCF財団を通じた資金面でのサポートをはじめ、物資提供、インフラ共有、メディカルケアー、指導者講習会開催など多岐にわたる。
競技別にみると、サッカー、フットサル、バスケットボール、スケート、ハンドボール、テニス・パデル、陸上競技、自転車競技、テコンドー、水泳、ラグビー、トライアスロン、バレーボール、ローラーホッケー、ビーチバレー、自転車トラック競技、ロードバイク、クレー射撃など。もちろん障害者スポーツも数種目含む。
さらに、県内で開催される6つのスポーツ競技大会の後援も担う。
「エンダバン・スポーツ」の趣旨は、ビジャレアル市に留まらずカステジョン県全土におけるスポーツの振興と発展を通じて、ビジャレアルCFが享受する利益や恩恵を県民はじめ地域社会に還元することであり、私たちの社会的コミットメントの表現方法ともいえる。
【 スポーツを経営する 】
ビジャレアルCFの会長フェルナンド・ロッチ氏をはじめとするロッチ一家は、国内でも著名な実業家ファミリーである。
「長者番付 by Forbes SPAIN」に見るスポーツ産業
フェルナンド氏のお兄様パコ氏は、バレンシアCF元会長。おなじく弟であるホアン氏は、バスケット1部プロリーグのバレンシアBCの現オーナー。
ロッチ・ファミリーの中でも、特にフェルナンド氏(ビジャレアルCF会長)とホアン氏(バレンシアBC会長)は、スポーツを通じ社会を躍動させる取り組みに真剣に取り組んでいらっしゃる経営者だ。
両氏とも「スポーツメセナ」という概念を掲げ、フェルナンド氏はビジャレアルCFの「エンダバン・プロジェクト」を、ホアン氏はバレンシアBCの「努力を文化に!」というプログラムを通じて、それぞれの県(カステジョン県、バレンシア県)および自治州内で大規模なスポーツ・アスリート支援に多大なる貢献をされている。
大げさでもなんでもなく、いまやバレンシア自治州スポーツ界はロッチ兄弟無しでは成り立たない。
ロッチ兄弟の経営手腕を拝見していると「スポーツ団体の経営」をすることと、「スポーツを経営」することは、若干違うのだと感じる。
ロッチ兄弟のそれは、「スポーツがもたらす無形の豊かさを経営する」という表現が相応しい。
当時、ラ・リーガの包括放映権販売を力強く推進した経営者のひとりでもあったフェルナンド氏も常におっしゃているように、
・スポーツの振興に「独り勝ち」無し!
・「弱肉強食の仕組み」の先にスポーツの発展無し!
・「所有」ではなく「共有」の先に産業界の成長あり!
・得たければまず与えよ!
【資産と知産は、他者と共有して初めて富となる】
クラブのファン・サポーターだけでなく市民や県民、行政や自治体からも多大なる敬意と信頼を得ているゆえんは、
『資産と知産は、他者と共有して初めて富となる』
という、両氏の資産家としての価値運用の心得に集約されるのだと思う。