台湾の本音
~“隣国”を基礎から理解する~
野嶋 剛
最近台湾に行ったもの、歴史や台湾の色々な背景について
ぼや~っとした情報しかなく・・
「広く浅くで良いから、台湾のことを知りたい!」と思いこの本を手に取りました
結果的にはこの本を選んで大当たり
台湾という国、歴史、人々、政治、いろいろな角度から台湾について
わかりやすく捉えれることができるので、台湾という国を大まかにつかみたい初心者にはおすすめです。
◆へえ~そうなのか、と思ったポイント抜粋◆
台湾は、国際連合に加盟していません。また国交を結んでいるのは 13 カ国(2023年 11 月時点) であり、もちろん日本も正式な国交は結んでいません。
中華民国は民族主義(民族独立)、民権主義、民生主義という三民主義を唱えた反清朝勢力が 辛亥革命を起こし、翌年の1月1日に孫文を臨時大統領にした臨時政府から始まりました。
台湾では疑いなく、学位・学歴が一つの政治家のステータスと目される要素があり、台湾では、世襲議員が少ないことは、その歴史とも関係しています。台湾では民主化してからの歴史が浅いので、家柄以外で自分の魅力を打出すには学歴がベストなのです。
現在の歴史教育ではまず先住民の歴史を内在させることで台湾としてのオリジナリティ、アイデンティティを確保し、その後400年の歴史の流れを辿るのが主流となっています。特に民進党はその歴史観に傾斜しています。一方、国民党は中国史観を否定することまではしていません。
大航海時代、ポルトガルの船が台湾を通りかかって「なんて美しい島だ!(イラ・フォルモサ=Ila Formosa)」と感嘆したそうです。それで、通りかかるヨーロッパ人たちは皆、台湾を「フォルモサ」と呼んでいたそうです。 美しい島、「美麗島」。外国人が呼んだ名を、台湾の人たちも気に入って使い始めたといいます。今でも台湾の人たちが自らを「美麗島」と呼ぶのは、その名残です。
台湾の民主化の重要部分は蒋経国と李登輝というふたりのコンビによって成し遂げられた、というのが公平な評価だと思います。
中国と台湾の関係性は脅威であったり、パートナーであったりと、時代によって変化していることが分かりますね。 そのなかで中国が台湾に対して持つ根底の考えは変わりません。時の権力者による発言の強弱の差はあれど「台湾を統一する」というドグマは、不変のものなのです。
日本の統治下に入ったことで台湾は政治体制的には中国と切り離されて、日本式の社会に変わっていきました。 ただ、完全に日本人として扱われたかというとそんなことはなく、やっぱり本島人という身分は一生ついて回ることになった。そこで自分たちが中国人でもなければ日本人でもないという存在であることを意識したわけですね。
政権に問題が起きれば反対票が集まって政権交代が起こる。2022年の統一地方選で民進党が大敗したのも、社会の空気によるものが大きかったですし、新型コロナ対策が迅速に浸透したのも、こうした台湾ならではの「ノリの良さ」という特色が発揮されたといえるでしょう。
台北をはじめとする大都市では、建物や大通りの交差点には地下に防空壕を作ることが義務づけられています。普段は閉鎖されているため、みんな気に留めないで生活しているのですが、1年に1回、演習のときにこの存在を再確認します。
中国と仲良くするべきか、一定の距離を置くべきか、という点につきます。仲良くするといっても統一まではいかないし、距離を置くといっても独立宣言まではいかない。 それが台湾社会の現状維持を求めるバランス感覚なのです。
◆感想◆
日本にいると台湾と中国の関係を点でしか把握できていないので、「台湾有事」という言葉が出てくるとドキッとするけれど、
台湾からしてみればずーっと有事。演習も毎年やっているとなれば、日本で感じる肌感とはかなりかけ離れていることがわかりました。
また、私も最近まで台湾は国家なのかどうなのかラインがあやふやだったけど、その曖昧さの背景をやっと理解できた気がする。
日本統治時代も長く、これからも隣国であり続ける台湾のことを、もっと知りたいという気持ちになりました
はあ~早くまた台湾に行きたい