紫陽花の月に観た映画~金のイメージ | 本音で生きる人生の愉しみ方~ライフナビゲーション

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さて、先週のLady's Dayの映画映画の話




今回観たのはTEMPEST





原作は、かの”シェイクスピア”


シェイクスピアが40代後半で書いた最後の物語である。





監督・脚本・制作を務めたのは”ジュリー・テイモア”


私は以前、彼女が演出した同じシェイクスピア作品「タイタス」や


メキシコの女流画家フリーダ・カーロの波乱の半生を描いた「フリーダ」を観たことがある。





どちらもいわば”強烈”な映画だ。


特にタイタスの方は、気弱な方なら目を背けたくなるような残酷な描写も多いが


古代ローマの親子の悲劇を現代と微妙に絡め


アンソニー・ホプキンスやジェシカ・ラングといった名優が


圧倒的な存在感を見せて、繰り返される悲劇の不条理さを目に焼き付けさせられる。








「テンペスト」の主演はイギリスを代表するといってもよい名女優の”ヘレン・ミレン”


この人は60代半ばにして尚、非常にたくさんの映画出演をしている。





私が過去観た中では「カリギュラ」、「コックと泥棒、その妻と愛人」、「鬼教師ミセス・ティングル」


「ゴスフォード・パーク」、「クィーン」あたりだろうか。





特に「クィーン」は、エリザベス女王陛下にとても良く似ていると評判になっていた。








さて、この映画



ミラノ大公が自分の国を実弟とその協力者によって奪われ


娘と共に島に流され、そこで魔術を習得して12年後に復讐を図る





というのがおおかたのあらすじなのだが





面白いのは、この主人公のミラノ大公”プロスペロー”を


女性という設定に変えていること





女性大公”プロスペラ”を演じるのがヘレン・ミレン





島の中で彼女に助けられたことで忠実な僕(しもべ)となっている


空気の妖精エアリアルや魔女から生まれた怪物キャリバン


そして美しく成長した実の娘ミランダ





彼らと共に孤島で長い間暮らしながら


プロスペラは、元々好きで研究していた魔術の腕を


着々と磨いていき、12年目のある日


遂に、現ミラノ大公と成り代わった実弟アントーニオとその悪巧みの仲間であった


ナポリ王アロンゾー、その弟セバスチャンに復讐する機会を得る





魔術によって船を難破させて自分達の住む島におびき寄せ


幻影を見せたり、お互いの疑心暗鬼で心身を疲弊させたり





そして、ナポリ王の息子で王子であるファーディナンドと娘ミランダの恋さえも


自在に操るプロスペラ





だが最後に、プロスペラは彼等すべてを赦す





妖精エアリアルも、僕(しもべ)としての役を全て終えたとして


空気中に解き放たれ


怪物キャラバンも悪事を赦され、おとなしくなる





罪を憎んで、なおかつ人を憎んでも


自分の中に安らぎは訪れない





そのことをプロスペラは悟ったのだろうか





全てはいつか”無”になる


であれば、限りある命を、人生を


赦し、慈しみ合い、愛し合うことで謳歌する方が


よほど満ち足りた時が過ごせる





そうプロスペラは思ったのだろう








最後の場面で


プロスペラは、長い間使ってきた魔法の杖を折り


海へと捨て去る


そして海中へと沈んでゆく魔法書の数々





深く蒼い海の底へと沈む


プロスペラの過去









この映画は


錬金術のように魔法を操り、世界を変えることが出来るほどの力を得ながら


赦すという行為によって


自分という人間をも変える強さを持った





プロスペラという女性の





”金色”のイメージ溢れる作品だったキング











あなたも是非、ご覧になってみてネバラ