前回、前々回と小学4年生の
「秋を見つけたこと」を紹介しました。
小学4年生が、生活作文が一番充実する時期だと思っています。
五年生以降になると、
個人の体験を一般化したり、
抽象的な概念を入れたりしないと
幼稚な印象になってしまいます。
すぐに変えられる子はいませんが、
少しずつチャレンジし
視点を変えていくことで、
中学生になると次のような作文が書けるようになります。
季節
最近、夜になると虫の鳴き声がする。
夏の間はあんなに秋が待ち遠しかったのだが、
いざ秋がやってくると少しさみしくなる。
しかし、昔の人に比べ現代人は季節感のない生活を送っていると思う。
まず、冷凍食品の増加や農業の技術の発展により、食べ物の「旬」を感じにくくなった。
この前、晩御飯のサンマが出てきたので
「もう秋だなぁ。」と弟と話していると、
母に「それ冷凍のサンマだよ。」と言われた。
他にも、部屋はどの季節でも一定の温度に保たれている。
(そんな現代であるが)、私は季節感のある暮らしをしたい。
そのための方法としては、第一に季節ごとのものを楽しむことである。
例えば、冬にはクリスマス、お正月、節分などたくさんの行事がある。
特に日本人は親せきと集まっておせち料理を食べたり、初詣に行ったりと、お正月は盛大に祝うことが多い。
いつもは寒くて外に出ない私も、初詣などで外に出たときは季節を感じることができる。
行事だけでなく、食べ物でも同じことがいえる。
冷凍食品なども手軽でよいが、旬の食べ物を使った料理を食べると、季節感が味わえるのだ。
第二の方法としては、自然にふれることだ。
同じ公園でも、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪など、それぞれの季節に合った景色を楽しむことができる。
春はハトの鳴き声、夏は太陽の日差し、秋は銀杏のにおい、冬は霜の音など、五感を使ってそれぞれの季節の良さを感じられる。
確かに、エアコンが作られたことで私たちは快適な暮らしが送れていると思う。
特に今年は、今までに経験したことのない猛暑で、エアコンがなければ熱中症で死亡する人も多くなっただろう。
しかし、「理想に到達するための手段はまた、理想を阻む障害でもある」という名言もある通り、エアコンを含めた科学技術の発展により、季節感が感じられなくなってきていることは残念なことだ。
(技術や便利なものを)適度に使用し(ながら、季節感のある暮らしをし)ていきたい。
自分自身の生活から、
社会的な現象、日本の文化にも話が広がっていますよね。
まとめ方も名言を用いた説得力のある結びです。
(カッコ)内は私が付け足した言葉で、
無いままだと、ちょっと文の流れとして物足りないのですが
でも、中学生のうちにこのくらい書けるようになっていると、
モノごとを考える素地ができ、
難しい論説文にも対処できるようになるはずです