2023 秋刀魚の歌 | 1級フードアナリスト ユピロ菌の迷える子羊達へ

1級フードアナリスト ユピロ菌の迷える子羊達へ

悩んでいたときに救ってくれた言葉や料理をおすそ分け。仏教に自分で掛けた首輪は自分でしか外せないという言葉がある。悩みを解決してくれるのは宗教でも他人でもない。自分自身でしか解決できない。

 
 
 
 
今年11月の出来事の備忘録です
 
もう今年は食べられないかと思ったよ
 
札幌時代は秋刀魚を食べるのが楽しみの一つ
 
最初の頃は箱買いし心友に贈ったりしてたけど
 
近年は箱買いするのが難しいほど不漁で高価
 
日南でスーパーに行っても滅多に生秋刀魚なく
 
殆んどが塩秋刀魚や解凍秋刀魚(>_<)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
出始めに生秋刀魚が売ってたが一尾@600円は
 
とても手が出なかった😒
 
そんな時半額になった生秋刀魚を発見
 
迷わず購入してフライパンで焼いて食べました
 
(住まいの魚焼きグリルは古く汚く衛生的でなく)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
美味しかったけど、脂ののりが悪くて
 
かつてのような旨さではなかったのは残念
 
もうあの佐藤春夫の詩のような旨さには
 
お目にかかれないのかな😒
 
 
 
 
 
 
 
 
ということで毎年書いてますが…
 
佐藤春夫さんの『秋刀魚の歌』
 
「さんま、さんま
 さんま苦いか塩つぱいか。
    そが上に熱き涙をしたたらせて…」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
でもこの歌の背景は結構壮絶なのです
 
佐藤春夫がこの歌を歌った食卓を囲むのは
 
不倫の相手の女性つまり谷崎潤一郎の妻である
 
千代夫人と長女鮎子
 
実は切ない心をうたった詩なのです
 
千代夫人は谷崎潤一郎との夫婦関係が
 
上手くいかないことを
 
夫の親友である佐藤春夫に相談していました
 
谷崎の留守宅を佐藤が訪問した際に食べた
 
秋刀魚なのです
 
で、全文を読んでみますかwww
 
 
 
 
 
 
 
 
佐藤春夫『秋刀魚の歌』
 
「あはれ
 秋風よ
 情〔こころ〕あらば伝へてよ
 ――男ありて
 今日の夕餉〔ゆふげ〕に ひとり
 さんまを食〔くら〕ひて
 思ひにふける と。
 
 さんま、さんま
 そが上に青き蜜柑の酸〔す〕をしたたらせて
 さんまを食ふはその男がふる里のならひなり
 そのならひをあやしみてなつかしみて女は
 いくたびか青き蜜柑をもぎて夕餉にむかひむ
 あはれ、人に捨てられんとする人妻と
 妻にそむかれたる男と食卓にむかへば、
 愛うすき父を持ちし女の児〔こ〕は
 小さき箸〔はし〕をあやつりなやみつつ
 父ならぬ男にさんまの腸〔はら〕をくれむと
     言ふにあらずや。
 
 
 
 
 
 
 
 あはれ
 秋風よ
 汝〔なれ〕こそは見つらめ
 世のつねならぬかの団欒〔まどゐ〕を。
 いかに
 秋風よ
 いとせめて
 証〔あかし〕せよ かの一ときの団欒ゆめに
    非〔あら〕ずと。
 
 あはれ
 秋風よ
 情あらば伝へてよ、
 夫を失はざりし妻と
 父を失はざりし幼児〔おさなご〕とに伝へてよ
 ――男ありて
 今日の夕餉に ひとり
 さんまを食ひて
 涙をながす と。
 
 さんま、さんま
 さんま苦いか塩つぱいか。
 そが上に熱き涙をしたたらせて
 さんまを食ふはいづこの里のならひぞや。
 あはれ
 げにそは問はまほしくをかし」
 
 
 
 
 
 
 
 
難しいことは判らんけど…😅
 
兎に角、今年も秋刀魚を頂けることに感謝🙏
 
 
 
 
#秋刀魚
#サンマ
#さんま
#佐藤春夫
#今日も感謝
#尊命敬食
#1級フードアナリスト
#フードアナリスト
#調理師
#料理研究家
#1級だしソムリエ
#利き酒師