知り合いがこんなことを言っていた。
「参政党の党員名簿って、手に入れたら高額で売れるんじゃねぇ?」
要するに詐欺の鴨リストだ。
以前新垣結衣の詐欺メールがきたことを書いた。基本的にはランダムに送っているのだが、何らかのフィルターをかけて、引っかかりやすい人に絞って送りたいのが実情のはずだ。
どういった人が引っかかりやすいと判断されるかといったら、圧倒的に信憑性が高いのは、情報弱者の高齢者だ。だから高齢者に詐欺への警戒が呼びかけられているが、かえって悪循環になっている可能性もある気がする。時代の変化についてこれない高齢者は、インターネットに限らず、あらゆる情報に対して本当に疑心暗鬼になっていて、若い人に相談ができないでない。携帯の使い方が分からずに四苦八苦している父が固定電話で何度も何度も電話をして聞いてくるもんだから、親切に教えてくれるから、とショップ行くことを勧めたら「なんやら若い人ばっかで、俺等なんか騙されて変な契約させられるんじゃないか」と心配していた。
いくら年寄りのために電話や対面の相談窓口を作っても、詐欺に対する警戒が呼びかけられるほど相談がしにくくなって、かえって詐欺の危険が高くなる悪循環かもしれない。
もう一つは、過去に引っかかった経験がある人だ。一度引っかかった経験がある人は鴨とみなされ、色々な詐欺グループに情報が共有され手を変え品を変え、詐欺メールが止まらなくなる。詐欺の損失を取り戻そうとして、また別の詐欺に引っかかることもある。
借金、副業、楽して稼ぐ、パチンコ、競馬等の、だらしない金銭感覚を思わせるような検索履歴のある人も、引っかかりやすいとみなされる。
参政党は、基本的に陰謀論の積み重ねで党員を集めている党だ。
泡沫候補が、人目を引くためにど派手なことをも一つか二つりこむことはよくある。しかし、１から10までわざわざ陰謀論だけを集めた政党は滅多にない気がする。小麦悪玉説やらY染色体説を大真面目に言っているのもだが、なんと言っても全ての根本はユダヤ陰謀論だ。世界中がロスチャイルドに支配されていると信じているのだから救いようがない。しかし、信じてしまう人が一定数いる。最近になって、いくらなんでも、やりすぎだと批判が増えて、神谷宗幣氏も、ユダヤ陰謀論に関しては、「お金持ちの一部の人」と誤魔化すようになってきているようだ。
インターネットの情報リテラシーやファクトチェックが大事なのは間違いないが、情報の氾濫に人間がついて来れてない。仕方ないから、参政党にのめり込むような若者は、ノリと勢いで情報の取捨選択をしている状態で、高齢者は、どうしょうもなく怯えて手をこまねいているしかなくなっている。
情報に振り回されている若者と、情報についていけない高齢者の両方が危険にさらされているのは本当に皮肉な話だ。