林千勝の陰謀論 | yunnkji1789のブログ

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林千勝という、歴史陰謀論の本を出しているサラリーマンの人がいる。

参政党な神谷宗幣が持ち上げてるんだから、まぁ小名木善行とかと同じ感じの人である。小名木に関しても同じだが、知識のない人を騙すのがうまい。

「日本は勝てたはずだ」という主張をしている。

陸軍の研究機関と内務省企画院が出した、アメリカを無視して東南アジアを制圧、インド洋に進出し、中東に進出してくるナチスと合流、という戦争案を提示し「この通りにやってれば日本は勝てた!」「これを潰した海軍の○○はスパイだ」と言う。

これに騙されるのは、「こうすれば勝てた!」という言葉に、もしかしたら日本が戦勝国になっていて、世界を従えていたかもしれないという妄想に取り憑かれているだけなのだ。

ドイツはソ連が最大の仮想敵で、イギリスとは極力戦いたくなかったし、そのドイツが突然独ソ不可侵条約を結んだり、総理大臣が「もう、わけわからん」と辞職するくらいに日本はわけが分からず振り回されていていたのに、そのドイツに「中東を制圧してもらいます。」って何を言っているのかわからない。前提からしておかしい話なんだが、秋丸機関と企画院のことを「日本最高峰の頭脳」と大絶賛して盲信してしまっている。

結局のところ、陸軍と海軍の綱引きでしかない。海軍は南進、陸軍なら北進なんだが、その時北進は現実的ではなかったから、内務省、内閣府を抱き込んで西進という新しい案を出した。それに対して海軍が抵抗した。単なる派閥争い利権争いに過ぎない。

普段は、官僚を、自分たちのことしか考えない狡賢い日本の癌、お勉強ができるだけのバカ、みたいに言っているのに、これに関しては「日本最高峰の頭脳」と言って憚らない。この頃の官僚は違ったんだよ、と根拠もなくおもいこんでいる。

ドイツはすぐに独ソ不可侵条約を破棄してソ連に攻め込み、その失敗が原因で凋落するんだから、結果論から言うなら、上手くいかなかった筈。ドイツ大使の大島浩がバリバリのヒトラー崇拝者になって正しい情報を伝えていなかっのも大きいが、日本はヒトラーを過大評価してしまっていたのは有名な話だ。アメリカは政府はなんとか戦争に参加したくて、国民を説得する材料が欲しかったから真珠湾を攻撃しなかったら戦争にならないなんてことはない。

石油を手に入れるなら、インドネシア制圧は欠かせず。それはオーストラリアの地理的な孤立化を招く。オーストラリアが戦う以上、間違いなくアメリカと連携を図ろうとする。

全ては「日本が戦争に勝っていたら」と言う希望に過ぎない。 

では林千勝はなんでこんな詐欺まがいのことを言うかというと簡単で、ユダヤ陰謀論に繋げたいからだ。林千勝は、「世界はロスチャイルド家に支配されている」という、生粋のユダヤ陰謀論者である。あらゆることがロスチャイルドの陰謀。アメリカすら、実は裏でロスチャイルドに操られている。その前提として、「私達が当たり前だと思っているこの敗戦国という現状は実は操られてできたんだ」と、言う話をしているだけなのだ。

先に言ったように、仮にスパイの陰謀だっからとしても、ドイツが最大目標のソ連にボロ負けする以上、現実には西進は日本に勝ち目はないのだが、そういう知識がない人日本が戦勝国として君臨している世界を想像して舞い上がってしまうだろう。

また、今の省庁同士の綱引きみたいなことが、この頃から行われており、当時の軍、官は派閥の主導権争いに明け暮れていたことを知らないと、スパイ説を信じてしまうかもしれない。要は知識不足が原因なのだ。今の人は、知識をつまみ食いする人が多い。何も知らない状態から知りたいと思ったことを単体でネットで調べて。「物知りになった」と勘違いしてしまう。

子どもは勿論、大人でも「勉強なんか必要ない、Google様がいるから」と言うことを言う人がいるが、ぶつ切りの知識は、意味がない。

よく「ネット情報の信憑性」が問題になるが、林千勝に関して言えば、別に嘘はついていない。

自分に都合が良い事実だけを集めてきて組み合わせて個人的な意見を主張しているだけなのだから。

それより知識がモザイク状になることの方が問題だと思う。断片的な知識だけを得て、その周囲は想像で埋めてしまう。実はそこに、大事な情報があっても気が付かない。

緑内障患者が、視野が欠けていることに気が付かないのに似ている気がする。