突発的平和(?)小説 | YUNAのひとりごと

YUNAのひとりごと

日々の出来事や 平和への愛を垂れ流します・・・。

(2)


「お、お父ちゃん!!」


聞き慣れた声がする方向へ、アタシは弾かれたように走り出した。
ここに『アタシ』がいるとしたら、あっちにいるんは間違いなく『あの人』や。
頭の端でその事はもう確定事項だったけど、一分の望みを抱き、張り裂けそうな胸を押さえながらアタシは震える手を寝室のドアノブへそっとかけた。

ガチャリ。

「…………か、和葉…」
「お父ちゃん……」

やっぱり、予感は当たってもうた。
目の前には、見慣れた自分がオロオロしながら仁王立ちしとる。

認めたくないけど、その時ようやくアタシとお父ちゃんは、今起こっている不思議な現象を把握することが出来たんや。



「な…なんでこないな事になったんや……」
「……アタシにも訳分からんわ」

目の前には、あぐらをかいて腕組みをしながらウンウン唸るアタシが見える。
そういうアタシはというと、あまりの衝撃で手を頬に添え、項垂れながらポロポロと涙が止まらへんかったんや。
……もちろんお父ちゃんの姿で。

「和葉……頼むから泣き止んでくれ。きしょく悪いから……」

確かに、
あの泣く子も黙る大阪府警、刑事部長のお父ちゃんが女座りでなよなよとすすり泣いている姿など想像もつかない。
アタシはそれを頭に思い浮かべた瞬間、身震いがしてグイッと流れる涙を拭き取った。

「そういうお父ちゃんもソレ……」

アタシが指差すと、お父ちゃんは慌ててソレを口から外した。

「スマンスマン、ついクセでな…」

ヘビースモーカーやもんね。
アタシはそんなお父ちゃんが少し哀れに思った瞬間、やっと冷静になり全てを受け入れることが出来たんや。



……アタシの身体がお父ちゃんの身体になり。
お父ちゃんが、ハードボイルドな女子高生になったことを……。



続く










………………


一度書いてみたかった『精神入れ替わりネタ』
遠山親子バージョン!(大満足v)

元ネタは、『パパと娘の七日間(舘&ガッキー)』です(笑)

この状況。かなり美味しすぎると思いませんか?
この後の話しは、色んなパターンでボチボチ書いていきたいと思っています。