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お菓子作りA to Z
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「M」 le matériel マテリエル
道具や材料、設備なども表す単語です。
道具についてお話をして参りまして、
その中で「型」について
2回お話してきました。
そして最後は
お菓子の名前が
そのまま型の名前になっている
定番の
・マドレーヌ型
・フィナンシェ型
・シフォンケーキ型
についてお話しようと思います。
型のお話ではありますが、
それぞれのお菓子についても少し。
・マドレーヌ
madeleine
フランス生まれ
マドレーヌの名前の由来は諸説ありまして、
その中でも一番有名なのが
フランスのロレーヌ地方のコメルシーで
コックをしていたマドレーヌさんが考案
というもの。
マドレーヌは↓こんな感じで
真ん中がポコンとしているものを
「おへそ」と言ったりするのですが、
これは、生地を冷蔵庫で、
一旦寝かせてから焼くと、
オーブンの中で勢いよく上がるので、
おへそがグイっと出て、中はふんわり、
外側はさっくりとした感じになります。
なので、
おへそ誕生の瞬間を覗きたい
とか
食感のコントラストを楽しみたい時には
寝かせてから焼いてみることを
おすすめします。
一方、休ませずに焼き上げると
(配合や作り方などにもよりますが)
しっとりとした感じに仕上がります。
マドレーヌは、
貝殻の形に焼いた
バターケーキの一種なのですが、
昭和の日本では
この↑写真の、下の平たい型。(材質ブリキ)
これに型紙を敷いて焼いたものが主流で、
食感もジェノワーズ(スポンジケーキ)っぽい
フワフワしたものが多かったように思います。
最近はあまり見かけなくなりましたが、
古くからの洋菓子店では
今でもそのスタイルで販売されたりしています。
昭和レトロでこれが意外と可愛い♪
その後、少しぷっくり焼くスタイルになり、
今はこうした↓貝殻の形が人気ですね。
マドレーヌがなぜ貝殻の形になったのかは
不明なのだそうですが、
この形を見れば、「マドレーヌ!」となります。
これ、全て同じ貝殻の形ですが、
ご覧の通り材質も違うのですが、
焼いてみると、その輪郭の出方が全然違います。
上から見ると、
あまり深さの違いに気づかないのですが、
後ろからこうして並べて見てみると
結構違っているのが分かりますでしょうか?
これ、焼いてみるともっと違いが出てきまして、
やはりくっきり輪郭が見える方が
恰好良い仕上がりになります。
↑手前のクニャッとしなっているのが
ドゥマール社のフレキシパンという
シリコン製の型ですが、
これは型離れ良く、
焼き色と輪郭は優しめで、
お値段がちょっとお高めです。
でも、シリコン製を1枚欲しいと思うなら、
おすすめはこのドゥマール社。
シリコン製はお値段相応です。
マドレーヌ型で私のおすすめは
上記写真左のシルバー色のもの。
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ふっくら工房 新考社
マドレーヌ貝型6個
*スズメッキ鋼板、鋼線、シリコン加工
*サイズ:195×188×13mm
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これは型離れも良くて、綺麗に輪郭が出ます。
(この型は最近教えていただきお気に入り)
・・と言うわけで、マドレーヌ型だけでも
写真手前3つ→ドゥマール社フレキシパン→
写真左上黒→右のシルバー色のものと
使うものが変わっていきました。
・フィナンシェ
financier
フランス生まれ
financierとは
「資産家」「金持ち」「財界人」という意味で、
形が金の延べ棒に似ているところから
(*舟形とかもあります)
その名前がついた、半乾燥菓子。
半乾燥菓子は
ドミ・セック・モワルーと呼ばれ、
Demi-Sec moelleux
<半分 乾燥した 柔らかい>
となります。
先ほどのマドレーヌも同じく区分けは
ドミ・セック・モワルーですが、
フィナンシェも
<焼きたては外側がカリッ♪中はしっとり>
という半乾燥の食感コントラストが、
よく分かるお菓子です。
あとは、ダコワーズなどもイメージつきますね♪
フィナンシェはまた、日を置くと、
全体がしっとりしてくるのも楽しい。
なんといっても泡立てないで
ほぼ混ぜるだけの工程なので、
滅多なことで失敗しません。
その分、素材の風味が出るので、
新鮮なアーモンド粉や、
ローストして香りを高めて使うとか、
発酵バターを使う等すると
より美味しくなる焼き菓子です。
フィナンシェ型は最終的に、
小さく沢山焼く時用に
ドゥマール社のフレキシパン1枚
(21個取り)と
大きく焼きたい時用に、6個取りを2枚
に絞りました。
フィナンシェ型は1個の単体の型もありますが、
私は面倒くさがりなので使っておりません
フィナンシェのおいしさですが、
焼きたての食感コントラストが好き♪
という派と、
日がたってからのジュワッと感が好き♪
という派に結構分かれます。
これらを踏まえ諸々思いを巡らせ、
実際使ってみての個人的感想からのおすすめは、
6個取り。重宝してます。
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松永製作所 フィナンシェ型6個
*ブリキ シリコン加工
*サイズ:約220×239×12mm
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・シフォンケーキ
Chiffon cake
アメリカ生まれ
シフォンケーキを始めて食べたのは
多分25年以上も昔。
今でも覚えているのですが
このしっとり感は何~~??
と、衝撃を受けました。
その後作るようになってみて、
液体油脂を入れているためと知り、
Oilは蒸発していかないので、
焼いてもしっとりしているわけですね。
発明したのはHarry Bakerさん。
料理人でも菓子職人でもない
お仕事はお料理好きの保険外交員だったのだそう。
現代で言うところの
「生食パン」
この生みの親も
パン職人でも料理人でも無い方らしいので、
いずれも固定概念が無いだけ、
きっと独特な発想からの試行錯誤で
新たなものを作り上げちゃったのでしょう。
シフォンケーキ型は断然アルミです。
かなり使い込んでまして変色ありますが
サイズはこの2サイズを使ってます。
左が20cm と、 右が17cm
ネットや本など、
レシピが色々あるのは17cmかなと思います。
以前はハートの形とか、
10㎝の小さいものなどもありましたが、
可愛いのですが、私には生地が入れにくく
お嫁にもらっていただきました。
シフォンケーキは、
その材料と工程から、
型にコーティングがしてあると、
熱膨張した生地はオーブンから出てから
ズズ・・・と下がってきてしまいます。
卵や水や牛乳などの、液体中の水分が
熱膨張と共に蒸発してシフォン生地は膨らみますが、
骨格になる粉との比率で、
支えが弱いので、
型に密着して膨らんだものを、
逆さにしたまま冷まし
そこで骨格をしっかりさせる工程です。
なので、型に密着していないと萎んでしまうので、
熱の通りが早く、水分の蒸発が早く、
且つコーティングしていないアルミ製
これが一番最適な型となります。
紙製はアルミと比べ
熱の入りや水分の飛びは変わりますが、
密着するので、落ちずに冷ますことができます。
(冷ますときにはアルミ型と同様逆さまにします)
左が17㎝ 右が14cm
紙製はフタもついているので、
プレゼントするにはラクチンですね。
生地を出すのも、紙をはがすだけなので
綺麗にむけます。
型のお話、
最後に私の失敗談を次回に☆
なかなかなものです(笑)
いつも読んで下さり
本当にありがとうございます☆
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