不死身の倒し方・前編 | せいぜいひまつぶしの小話

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5年目から創作系ブログとして新装開店しました。
色々と思うところ書いてます。講談社への抗議不買は一生続けます。
2022年12月からは小学館もリストに加わりました。
「人を選ぶ」とはつまり「自分は選ばれた」ということです。

後編

 

今回は“不死身”と、その“倒し方”について書こうと思います。

「不死身であること」それ自体が特別なのはもちろん、
能力が戦闘向きなのもあって強敵感を演出するのにも有効な手段ですから、
バトルものなんかでは、特に敵キャラで割とよく見かけたりします。

一応ここでの“不死身”の定義というか条件の説明をしておきますと、

・四肢の切断を含む身体の激しい損傷、巨大な貫通痕、両断、
 全身爆裂等の常識的な
致命傷からのほぼ独力での完全な復元、
 あるいはその状態を保持しながらの生存を可能としていること。


・身体を分解・分割する能力のように、前述の内容を
 ただ単に実行出来るだけのものは、これに該当しない。
 また、回復と蘇生も不死身とは区別すること。


他にもう1つありますがとりあえず以上が、当記事における“不死身”の定義であり条件です。

なので、たとえば『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』に登場するミストバーンのように、
完全ノーダメージというのは“無敵”であって“不死身”のカテゴリーには含まれません。
ついでにベギラマ一発で氷の部分がアッサリ溶けたフレイザードも“不死身”ではありません。
あいつはただ単に自分の体をバラバラに出来て、炎と氷の呪文が使えるだけの強敵です。

最終奥義で死にかけてるし

 

さらに念のため付け加えておきますと、ヒュンケルも不死身ではありません。

なんてコト言われとりますけどね

何度も死にかけてますが別に手足が吹っ飛ばされたわけじゃあないのでアイツの不死身は
いわゆる“誇張表現”というヤツでして、「死んだと思ったら実は生きていた」というのは
死亡フラグをへし折ってるだけでここで言う“不死身”とは違います。

 

真っ二つにされても首をはねられても死ななかったキルバーンこそが、
“不死身”の名を冠するに最も相応しいキャラと言えるでしょう。
死んでないんだぜ、これで

 

他の作品で言えば『ジョジョの奇妙な冒険』のディオなんかもそうですし、
『獣拳戦隊ゲキレンジャー』の無限龍『仮面ライダーウィザード』のフェニックスも、
“不死身”として扱うには十分過ぎるほどの不死身っぷりを如何なく発揮してくれました。

最初に書いた通り「不死身であること」それ自体が特別なのはもちろん、
能力が戦闘向きなのもあって強敵感を演出するのにも有効な手段ですから、
バトルものなんかでは、特に敵キャラで割とよく見かけたりします。

見る側としても「どうやって倒すんだろう?」と、倒しても倒しても復活する強敵との
死闘の行方にハラハラしたことがあるでしょう。自分も子供の頃はそうでした。

でもよくよく考えてみれば“不死身の倒し方”なんてのは結局のところ、
大雑把に分ければ2種類しかありません。
だから不死身の敵をホイホイ出しまくってると作品としてダメになるよ、という話です。
(戦闘要員が全員不死身とかそういう基本設定としてやるのはオッケー)


倒し方その1、『不死身を破る』

細かいやり方が色々と違っているだけで、どの作品でもやってることの本質は同じです。
言われてみれば当たり前の話ですが“不死身”を敵として登場させる以上は多くの場合、
ホラー映画とかでもない限りは最終的にやっつけなきゃならないわけですからどうにかして
不死身を破る、というか破れるようにしとかないと埒が明きません。

日に当たるだけで灰になる吸血鬼みたいに即死級のダメージを受けるよーな弱点を用意したり、
あるいは首をはねないと死なない『ハイランダー』『ブラッドラインズ』の血族なんかは
厳密には弱点というより“不死身が通じない殺り方”ですが、他には“本体が別にいる”
とか“2人同時に倒さないとダメ”なんてのもいましたし、ゲームの残機制みたいに生命を
複数持ってるのもいましたが、どれも細かいやり方が違っているから多様に見えるだけで、
“不死身を破る対処法が用意されている”のはみんな一緒です。

吸血鬼は有名な古典ですからその知名度で、首をはねるのは敵がヒト型なら容易に想像が
つきますのである程度省略が可能ですが、不死身を倒す展開にするとなると、必ずどこかで
その弱点や倒し方につながるヒントというか伏線を用意しておく必要があるわけで、
そうでないと不死身を倒す展開に説得力が生まれないから当然ですが、それはそれで
“敵の不死身がバレた時点で展開が読めてしまう”問題があります。

物語的に不死身のタネがバレたらそこを突かれて即終了なのはもちろん、見る側としても
完璧に的中させるまではいかなくとも、手段と可能性がある程度絞れてしまうのは否めません。
作る側として強敵感を出すのは楽なのかもしれませんが、他のどんな能力と比べても
“バレたら終わり”なのが不死身のもう1つの特徴であり、不死身であることそれ自体が、
最大のリスクと言えるのかもしれません。

で、バレた時点である程度読めてしまう予想を超える話を作るとなると、
不死身を倒すにはもう1つの方法しか残されていないわけですが、それはまた次回にて。

〈続く〉

 

↓引用および取り上げた作品

 

 

 

↓最終話で決着

↓23話で決着