(再録)駄作の見分け方・序文(加筆修正) | せいぜいひまつぶしの小話

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5年目から創作系ブログとして新装開店しました。
色々と思うところ書いてます。講談社への抗議不買は一生続けます。
2022年12月からは小学館もリストに加わりました。
「人を選ぶ」とはつまり「自分は選ばれた」ということです。

人生の時間は限られています。
駄作に付き合うのは、貴重な時間の浪費以外の何者でもありません。
人生の貴重な時間を無駄にしないためにも、ダメなものは早々に見切るのが一番です。
そのためには、株価(チャート)の変動予測における様々な法則のように、
ダメになる予兆を察知するための法則や、客観的な指標や判断軸を“駄作の見分け方”として、
自分の中に構築しておくことが肝要です。

 

ダメかどうかなんてそんなもの見てれば分かるって?

面白いかどうかは自分の感性で判断するって?

人間の感覚なんて、自分が思うほど正確で信頼の置けるようなものではありません。

40℃から28℃に下がるのは涼しいでしょうが、
16℃から28℃に上がれば暑くてしょうがないでしょう?


所詮人間の感覚なんて、同じ28℃の区別もつかない程度のいい加減なものです。

あるいは別の話をしましょう。

行列の出来ているメシ屋での食事がマズかったら、
正直に「マズい」と言えるでしょうか?

行列に並んでやっとの思いでメシにありついたのに?

普段から通ぶって偉そうに自慢していたとしたら?

仲の良い友達のおすすめで反応を聞かれたとしたら?

あるいは知り合いの店だったとしたら?

「マズい」と思うのが自分だけだったとしたら?

友情にヒビを入れ、協調を乱し、あるいは自分の間違いを素直に認め、
誰の意見に阿(おもね)ることもなく、孤独に耐える勇気と覚悟を持って、
自分は「No」を突き付けられる人間であると、本当にそう言い切れますか?
果たして自分は自らの感性とやらに対し、常に忠実であり正直であるかどうか、
自分の胸に手を当てて、よくよく考えてみるといいでしょう。

ハリーポッターが「最強のファンタジー」なんて大仰な看板背負って不自然に
ごり押しされ始めた頃、レンタルビデオはもちろん原作本も一応読んでみたのですが、
一体どこが面白いんだか、こんなのが面白いヤツの気が知れねーって感じでした。
今もそう思ってます。

単純明快な分かりやすさも無ければ何かの役に立つだけの便利さも無い、
味の変わる飴(下水味含む)、生き物みたいに動き出す蛙型のチョコと、色々あった
ような気もしますが、せめて1つでも物語の伏線として機能したものがあったでしょうか?
あんな程度じゃ『ドラえもん』の秘密道具の足元にも及びません。

しかも学校が舞台のくせに授業らしい授業なんかもマトモにできちゃいない、
あるのは“魔法”に対する漠然としたイメージだけで、それこそ世界中にあるってのに
その蘊蓄(うんちく)ひとつ満足に披露出来ない、同じ寄宿学校の設定だから引き合いに
出しますが、『(忍たま・落第忍者)乱太郎』のような入念な調査に基づく真っ当な知識と
造詣に支えられてなけりゃあ学校を舞台にやれることはせいぜい“いじめ”くらいですかね?

設定をガチガチに作り込んだハイファンタジーである必要なんかありませんが、
それでも話を長く続けるには作中の“魔法”にルールを決めておくことは必要でして、
“魔法”に何が出来て、何が出来ないのか?得意・不得意によるキャラ付けと差別化に
利用するだけでも十分だったのに、それすらもやれてないから状況への対応やピンチの
切り抜け方に説得力が無く、おまけに誰が誰だか覚えるのにも手こずる始末。

「なんでここであの魔法使わないの?」

考える脳ミソが少しでもあれば、回を重ねる毎にこの疑問が頭をもたげたはずです。
“魔法”を扱う対象年齢の低い作品は他にいくらでもありますが、上記のような批判と指摘を
ハードルとしてクリアすることは、どの作品でも当たり前にこなしていることです。
小難しい単語や劇中用語を並べ立てなきゃこじつけられない程度の『設定』なら、
そんなものはハッキリ言って子供向け“以下”です。
これで“最強”なら『ドラえもん』と『乱太郎』でウンコもらしてなきゃウソなんですが、
生憎とそんな話は聞いたことも無く、明らかに不公平がまかり通っています。
エシカル(倫理的)消費の観点から鑑みても、ハリーポッターを評価するなどありえません。

↓その他『エシカル消費』

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%B7%E3%82%AB%E3%83%AB
 

こんな半端モンに引っ掛かるのは、子供向けを幼稚だとかイキってるくせにガチな文学を
読み下すことも出来ない同類項の半端な人間と、『ホームレス中学生』に感動できる類の
チョロい心のまっすぐ(笑)な人たちが「生活保護のシングルマザー」という回転女子高生の
設定にまんまと釣られ、あとは上っ面の雰囲気だけでしかモノを見れない風見鶏の大衆が
メディアの扇動に流された
結果、中身の無い流行が出来上がったと解釈しています。

『メディアのごり押し』『感動ポルノ』が、
ハリーポッターにかけられた最高の“魔法”だった、というわけです。
“魔法”というより“詐欺”なんですがね。
結局その後に別名義で発表した回転女子高生の新作は見向きもされず、
正体明かした途端に手のひら返しされるという
最高にカッコ悪い醜態を晒してくれたことが、その何よりの証拠です。

こういうコト言ってると周りとの関係は悪くなるし、自分以外みんなバカに思えてきて
精神衛生上よろしくはないンですが、流されるよりよっぽどマシです。

人間の感覚や感性は、意外とアテに出来ないものです。
そして人間誰もが、自分に正直に生きているわけでもありません。
人は騙される生き物です。自分以外だけでなく、自分自身にもです。

温度計を見なければ同じ28℃だと分からないように、二度と騙されないためには、
自分の感覚や感性に頼らない客観的な“駄作の見分け方”が、絶対に必要になります。
 

〈終わり〉

 

↓ハードルをクリアしてる例その1、分かりやすいキャラ付け

  例その2、ツッコミどころがあってなんぼの

↓コメディにすることでハードルそのものを回避している