ここ最近、テレビゲームの対戦を『eスポーツ』とかなんとか銘打って
カネやモノが動くように(産業化?)しようと色々ガンバってるみたいですが、
肝心な部分をおざなりのまま突き進んでいることにとても疑問を感じます。
ぶっちゃけゲーマーなんて華(はな)が無いじゃん?
自分もゲーム大好きなゲーマーの端くれですからよく分かります。
擁護したい皆さんが目を背けるのは分かるんですが、否定論者の皆さんまで
この致命的な問題にダンマリ決め込んでるのはどうしてなんでしょう?
eスポーツ関連の記事を色々と漁ってみても、この点を指摘するようなものは
今のトコ1つも見つかってないンですが、所詮“カネもらって書いてる”だけの
職業ライターなんぞに突っ込んだ話を期待するのが間違いなのかもしれません。
先駆者であるところの海外の大会なんかを見ると、入場に合わせて火花が噴き出したりして
全体的にプロレスやサッカーその他の格闘技イベントのような派手目の舞台と騒がしい観客との
演出で盛り上げようとしているみたいで、それもゲーム部分だけ映してるうちはまだいいですが、
ゲーマーにカメラを振った瞬間の残念さといったらありません。
お揃いのチームユニホームでファイティングポーズなんかキメてみたところで
ラーメン屋のバイトみたいにしか見えないと、
職場の仲間から実に的確な指摘を頂いたので、自分でも使うことにします。
“華が無い”とは、つまり“舞台映えするモノが無い”と言い換えられるかもしれません。
レスラーみたいな筋肉があるわけじゃなし、あっても競技と無関係では活かしようがないから
意味が無い、芸人がこぞってマネしたがる脳筋で天然(誉め言葉)なパフォーマンスなんか、
基本内向的なゲーマー相手に無理な相談です。
↓ゲーマーにこんなこと出来ると思う?
間違えました。
ゲーマーにこんなことできるかオラエー!
一般的なアスリートと違って激しい運動するわけじゃないからランナーズハイで
面白いことも言えない、イケメン揃えて解決するような安直な問題でもないし、
どのみち無表情で手元をガチャガチャするだけでは誰がやっても同じです。
ゲームプレイを見世物として一番上手くやれていたのは“16連射”の高橋名人でしたが、
あれだって黎明期と流行期のウソと幻想に、だいぶ助けられていた部分があります。
ゲーマーなんて人種を舞台に上げても、面白いことなんか何もありません。
↓せめてこれくらいやってくれれば見世物としていくらかマシに見えるでしょうが、
ゲーマーにはこんなこと絶対に出来ません(関根勤)。
もちろん派手なだけが演出のすべてではありません。
たとえばゴルフやテニス、囲碁将棋の舞台で火花や煙幕が焚かれたことなんか一度も無く、
サッカーの試合中ブブゼラ吹き鳴らすような連中だって静かに観てくれるだろうし、
そもそもそういう場所でギャーギャー騒いでたら普通に追い出されます。
地味な舞台で静かに観戦してもらえれば、地味なゲーマー連中も違和感無くいられる
…と言いたいところですが、そうすると今度は派手なゲーム画面と合わなくなります。
ゴルフのカップインみたいにKOの瞬間だけパラパラと拍手が起こる格ゲーの試合なんて、
どうひいき目に見ても違和感の塊です。それに地味で静かだと状況が素人目に分かり辛い、
という欠点があります。後ろで笑ってるから笑いどころが分かる海外ホームドラマと同じで、
“わかっていない”人たちへの理解と導入には、実況解説だけでなく、観客の歓声というか
反応も、意外と重要だったりします。
派手にするとゲーマーに合わない
地味にすると今度はゲームの方に合わない
実況解説の問題だってあります。テキストの常用漢字すら満足に読めない(単なる勉強不足)
ゲーム実況のアホどもは論外として、多くのゲームにおける対人対戦は、ひと試合で1時間2時間も
かかるようになんか作られていません。格ゲーなら1ラウンド99秒以内に決着が付くとして平均1分、
5ラウンドフルに戦っても5分ちょっと、ラウンド間のインターバルは実質0秒。
他のゲームだってどんなに長くても、ひと試合だけやる分には10分もかかりません。
競馬は早口ですが、あれは馬の位置関係だとか伝えるべき情報が限定されているし、
聞く側だって最終的な着順だけでも分かればいいから成立しているのであって、
短い時間に伝える情報量が多過ぎるゲームの実況解説なんて、どうやっても追っつきません。
どんなスポーツにも見世物としての側面があり、カネが絡むと余計にそうなります。
その中でもTVゲームというヤツは、見世物として演出するにはかなり深刻なジレンマを
抱えていると、言わざるを得ないでしょう。ゲーマーの華の無さはどうしようもないし、
ならばゲーム部分や競技内容、演出の方を工夫してもらいたいところですが、
権益に食い込むことで頭がいっぱいなのは、ゲーム会社だけではありません。
ゲームの腕を競い合うイベントといえば、これまではデパートの屋上や町のゲーセン規模の
ものが中心で、客層も“わかっている”人たちばっかりだったから、問題が表面化することは
無かったのかもしれませんが、そのために対処が遅れてしまった感があります。
規模の拡大に伴い多くの人を巻き込めば、それだけ“わかっていない”人たちの割合も
増えてくるわけで、現状のまま“わかっていない”人たちを置いてきぼりにしたままでは、
一過性の流行としてあっという間に衰退してしまうんじゃないかと。
だからね、ゲーマーには華が無いんだってば。
まずはそこを考えていかないとどうしようもありません。