カオスは一般的に「混沌」と訳されるけれど、ヘシオドスは『神統記』でカオスを「何もない場」として表現しており、カオスのことをカズム(裂け目)とも呼んでいる。
最初にカオスが生まれた。
しかしその後、雪に覆われたオリュンポスの頂きを領有する不死なる者達の不動の住処であるガイアと、最底部の薄暗い道幅の広い大地であるタルタロス、そして、不死なる神々の中で最も美しく、人々や神々の胸の中の理性や思慮深い意志を捕らえ四肢の力を奪うエロスが生まれた。
(『神統記』)
この後、地の神ガイアが天の神ウラノスを生み、その子供クロノス、またその子供ゼウスが親を倒して世代交代していく…。
≪参考≫
私が小学生の頃に初めて触れたギリシャ神話は、十二星座についての物語だった。
多分、上記のがそれかなって思うけれど、絶版の様子。
似た本を下記に挙げておく。
#ギリシャ神話 ゼウス君とゆかいな仲間たち - 尾羊英のイラスト - pixiv
大人になって見付けた面白いギリシャ神話漫画!
かなりアレンジしてあるけど、概ね忠実だと思われる。
漫画本は、ギリシャ神話の神様が出てくるけれど、神話の世界よりもずっと後の時代設定のファンタジー。
ただいま連載中でこちらも面白くて、新刊が出るたびに買っている。
ヘシオドスの書いた「神統記」は、口承でのみ伝わっていた神話を体系的に記述する試みのさきがけ。
本格的に学びたい人用。
・ギリシア神話三姉妹たちの誕生物語ーヘシオドス『神統記』を中心にして | この世は舞台、人生は登場 (ameblo.jp)
・世界の始まり:ヘーシオドス - 山下太郎のラテン語入門 (aeneis.jp)