5-13 フクの予言 6 | 夢、成る瞬間

夢、成る瞬間

ダグラス・コマエ物語

 ぼくは急いで見に行った。すでに潜ったあとなのかなにも見えなかった。

 が、波紋が広がっていたので、おそらくフクだけは見たのだろう。
「うふっ」
 フクは一人満足げに笑った。少し誇らしそうでもあった。
 これで三度ともフクの予知が当たったことになる。ただ困ったのは、それがまったくなんの役にも立たなかったことだ。

 イルカと泳げたわけでもないし、三度目に至ってはぼくはその姿すら見ていない。
「うふっ」
 またフクが笑った。
「…………」
 もはやぼくには言うべき言葉もなかった。

■ マップ 「フクの予言」
■ サイド 「祝福のシャークスイム」

 

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