7-4 仕事と家事と育児 5 | 夢、成る瞬間

夢、成る瞬間

ダグラス・コマエ物語

 家族を支えるためにフルタイムで働くべきであることは理性では分かっていても、感情の部分ではそうすることを完全に拒否していた。

 それが定職に就かなかった一つの理由なのだが、もう一つの理由は、ぼくの中では固定した仕事を見つけることは夢を捨てるのと同義であることだった。
 アルバイトであればいつでもドルフィン・センターに戻られるし、そういう意味でぼくは夢の“封印”と言った。決して夢を捨てたわけではない。

 ここでつけ加えておくと、ぼくは決して働くのが嫌いであると言っているわけではない。
 ぼくはどちらかというと仕事をするのが好きな方だ。

 ただここで問題にしているのはその内容である。

 例えばドルフィン・センターであれば、文字通り寝食を忘れていつまでも取り組むことができる。

 自分の事業について考えるのは刺激的であり、生きる実感を味わうことができる。

幼稚園のヒカリ(2008年)     

 

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