4-13 五人のソロモン旅 4 | 夢、成る瞬間

夢、成る瞬間

ダグラス・コマエ物語

 アミの方だが、髪を茶色に染めた妙に弾んだ女の子だった。明らかにぼくとは違う人種だった。
 旅が趣味であり、これまでにイギリスやアメリカ、中国、タイ、フィリピン、インドネシアなどを訪れていた。
「特にね、アジアのマーケットがいいの。なんかね、雑然としててね、活気があって、アミ、ああいう雰囲気すごく好き」
 瞳をキラキラさせながら言い、その彼女が次に選んだのが魅惑のソロモンであった。
 エミリとアミはぼくより八つ下で、まるで本当の妹のように感じられた。実際ぼくの一番下の弟チャールズは八歳下だった。

 タカの知人アダチは、身長は標準的であるにも関わらず、体の各パーツがアンバランスに大きかった。大きな顔に手、顔の一つ一つのつくりも大きく、耳たぶも大きくて立派だった。まるで七福神の布袋尊(ほていそん)を思わせ、笑うととても福のある表情となった。

 実はエミリもそうであったが、アダチはドルフィン・センターで働くことを希望していた。ぼくがこれを喜んだのはアダチはかつてビジネスホテルで働いていた経験があるからだ。

左からアミ、エミリ、モニカ(神戸市 1999年)

 

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