棟方志功展の最終日に駆け込み~!
混んでるかな。。。と思いきや
雨のせいか、田舎のせいか、、?
わりと空いていて、ゆったり鑑賞♪
壁一面の大作・連作は、距離をおき引き目に
見るんだが、だーれも視界に入らない!
あまりの快適さに、4ブロック程ある展示を
ぐるぐる、3周も楽しんでしまった。
トーハクじゃぁこうはいかないよね~
府中市美術館は「府中の森公園」の
緑の中にある閑静な佇まい。
と言っても、都会の公園と違うからね、
緑がもう、深くて濃くて沢山で!
ででーーっぴろいのですよ。心洗われるー。
棟方志功の作品は解りやすい、というか
素人にも楽しめる素朴さが、胸に迫る。
きっと梅原猛センセイが言うように
日本人なら誰でも持ってる、縄文的な
原初の心が刻まれているのだろう。
ところが。。
棟方初期の意外な作風に、まず驚く!
少年時代、ゴッホに憧れ芸術家を目指した
棟方志功は、川上澄夫という人の作品に
感動して版画家になる決意をしたという。
処女版画集は、小型の貴女シリーズだ。
でもね、最後のコレには
「さきを行く人じゃまです」って書いてある。
川上の作風から脱出して、先へ行くぞ!!
という気概の現れなんだって。
「大和し美し」 1936(S.11)
佐藤一英(いちえい)さんという詩人の詩に
感動し、題材にしたもので、
絵と文字が所狭しとひしめき合う自由さと
力強さ!でもきっと計算されたバランス。
てか、それが天性のセンス。カッくいい!
珍しい茶系の色彩で目を引く「鐘渓頌」は
陶芸家の方への感謝の作品だ。1945(S.20)
黒っぽいのと白っぽいのが何十枚も
交互に配置され、全体が市松模様になる。
窯の中の焼物の菩薩さまみたいだなぁ。
倉敷紡績社長からの依頼作品で
ニーチェのツァラトゥストラが描かれ
2枚目「真昼」は太陽に棲むという、八咫烏。
棟方が、ペートーベンの九番「歓喜」のような
仕事をしたい!と言い、
社長が「五番の運命」で頼む!って。(^^)v
ベートーベンにインスパイアされたのは
宮沢賢治と一緒だ。面白いなぁ。
「飛神の柵」 (御志羅の柵) 1968(S.43)
これ、「オシラサマ」なんだって。
東北の馬と娘の悲恋の伝説、からの神さま。
青森出身の棟方さんの郷土愛、信仰心、、
宮沢賢治に通じるなぁ。
東北地方は日本の鬼門とも言えるのだ。
ここを護り鎮める「東北経鬼門譜」1937(S.12)
という大作も、大迫力だった。
美術館のパネルには「花矢の柵」1961(S.36)
ここにもいるね、八咫烏。太陽の化身。
私としてはとにかく、棟方志功「板極道」を
読んだ感動が大きかったわけで、
とりわけ生の「華狩柵」を目にできた事は
嬉しかった。来て良かったなぁ。。
アイヌが祭するとき、いちばん先に、
東、西、南、北に向かって、
特別きれいなけずり花-ご幣のような矢を
天に向かって打つ儀式を開いて行くのです。
ああゆうテーマでかかったのが華狩の柵です
花を狩るおもいで版画しました。
けものを狩るには、
弓とか鉄砲とかを使うけれども
花だと、心で花を狩る。 (板極道より)
お土産は毎度、安い・使える・クリアファイル
・・だって、何かしら買って帰りたいもん。
川崎の登戸で乗り換えしたら