雌雄についての考察もされていて、
メスの強さや能力の高さに、完全降伏されて
いるんだが、、、
それにつけても、今現在まで
「女性の昆虫学者」が殆ど無いのは何故か?
お母さんが汚い、怖い、と嫌がるからか?
はたまた昔、小学校でやらされた残虐なる
カエルの解剖のせいでは? と訝りつつ、
かの姫君は按察使の大納言の娘、、つまり
地方長官クラスのお宅のお嬢様なのに
「人は全てつくろう所あるは悪ろし」と言い
眉も手入れせず、お歯黒もしない。
黒髪を邪魔にならぬよう耳に掛け、
白い歯で笑い、太陽の下で遊ぶ。
今なら普通のチャーミングガールだけど、
当時はとってもヘンだった。
隣のお嬢さんは蝶を可愛がっているのだが
この姫君は毛虫が大好き!
新種を探しては名前をつけ、手に這わせ、
「かはむし(毛虫)の蝶になりぬる」
のを観察するのだ。
「毛虫って、考え深そうな感じがいいよね」
この本を現代語訳しているのが
蜂飼耳(はちかいみみ)という名前の
これまた個性的で、きっと虫も好きであろう
お若い(40代?)女性の詩人なんだけど、、
タイトル「虫めづる姫君」を訳して
「あたしは虫が好き!」って、いいね~(^^)
世間の目なんか気にしない。
一人称の「あたし」がぴったりではないか。
だってね、
「蝶の姿形のみを愛でるなど浅はか。
幼虫からの過程を飼育観察し、真実の姿を
探るこそ、真に興味のあること。」
なーんて、ファーブルやその百年後の
後継者たちと全く同じことを言っている。
「絹だって繭の中の蚕の糸を繰るんだからね
観察してみれば、羽がはえたらおしまいだ
ってことが、わかるでしょうよ。」
堤中納言物語(つつみちゅうなごん)には、
この他10編ほどの短編が収録され、
源氏物語に似た話、ちょっと笑っちゃう話、
インドや異国を持ちだしたり、
日本各地の名産品を列挙したりする
一風変わった話、、なんだかメチャ面白いぞ。
作者も判らず、「堤中納言」が誰かも判らず、
本当に虫好きのお姫様がいたのか、
それとも、そんな女の子がいたらいいなぁ、
と誰かが創ったのか、、
どちらにしても、豊かな物の考え方だなぁ。
そういえば、物語では男女とも
本当に常に歌を詠んでいて、その醍醐味は
同音異義語の掛け言葉、つまりシャレ。
♪木綿葛を「繰る」ように、貴方が「来る」と
言ったって、「根は堅い」から「寝難い」ワ。
♪あの姫を花に例えれば「ワレモコウ」ね。
だって負けず嫌いで、「我もこう」。(^^)
なんてね。
シャレ文化は、今やおやじギャグ扱いされ
すっかり虐げられてるけど、、
そんなことでいーんでしょーかっ?( ̄^ ̄)
「やまとなでしこ」で松嶋菜々子が
お嬢様キャラをかなぐり捨て
「バッカじゃ中目黒。ナニ祐天寺。」
って言った時、メチャ萌えませんでしたかっ!
きっとこれこそクールじゃぱんな伝統芸能。
Don't miss it!
ということで、今日は素敵な女の子特集。
世間の白い眼なんか気にしない。
アルミ缶の上にあるミカン!
おホホホ。(#^.^#)