●上海時代(上・中・下) @松本重治 | ★50歳からの勉強道~読書録★

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本は友達。一冊一冊を大切に記憶に留めておきたい。

日中戦争時代、日本の同盟通信社の
上海市局長として活躍したジャーナリスト
松本重治さんの回顧録。


満州事変の後、満州国が建国され、
第一次上海事変の日中武力衝突があり、
反日、抗日の本拠である上海に
1932年末(昭和7)から着任し、、

さらに1937年日中戦争勃発、
拡大が避けられない状況に至る1938年末まで、、という超重要時期の6年間。濃い!!





なんといっても興味深いのは
戦争してる本人達じゃなく、
すぐ近くにいて、しかも中立の立場で
全体の正しい情報をいち早く掴もう!!
と、している人達の記録であること。
他の戦争録とは一味も二味も違うのだ。


日中戦争はすンごく大事なのに
複雑でどうもよく解らないのだが、
(読み終えてもよく解らないけど・・)
色んな中国人が登場して「ヨォ、シゲちゃん」
と、様々ぶっちゃけ話をしてくれるので、
1930年代・上海の空気を感じる事ができる。

1928年の上海バンド




そもそも「上海租界」と言うのは
明治時代のアヘン戦争で中国(清)が負け、
1842年の南京条約で開港した
「租界」=外国人居留地なのだ。
この中には、フランスだけの「仏租界」と、
英米列強と日本の「共同租界」があるワケ。


「バンド(Bund)」という言葉も出てくるけど
バンド=外灘(ワイタン)は、「外国人の河岸」
を意味する観光地で、中の黄浦公園に
「中国人と犬入るべからず」の看板があった
って有名だよね。ココの事なんだなー。

黄浦公園の看板。




松本重治さんは鉄道会社の御曹司で、
松方正義の孫だし、東京帝国大学卒、
海外に長期遊学、英語ペラペラ、、って
リアルお坊っちゃんなんだが、
島国コンプレックス無しの伸びやかな性格で
国際感覚豊か、どこにでも友人を作り
誰からも好かれ、信頼されまくっている。


時には仕事を度外視して人情優先もアリ。
どんな舞台も天性の才能で切り廻す。
こんな抜群の人間力が、即ち取材力。ダー!!





他人に真似できない情報力で勝ち取ったのが
世界唯一!  西安事件のスクープ。
張学良が蒋介石を監禁した事件、なんだけど
その背景や意味、、やっと解ったよ。


蒋介石はまず共産党を排除してから
抗日に向かおう、という方針で、
九分通り国内統一を目前にしていた所なのに
部下である張学良に西安で監禁され
まず抗日戦争に力を入れるべきだ!と
方針転換を迫られたんだ。  

西安事件を伝える朝日新聞の記事。




この結果、蒋介石の地位は揺らがなかった
けど、抗日・反日の気運はさらに盛り上がり
日本にとっては重大すぎる事件となる。
盧溝橋の日中戦争へ繋がるのだから。

1930年の蒋介石(右)と張学良(左)
張学良は日本軍に爆殺された張作霖の息子。
蒋介石の真面目な部下であり、西安事件は
蒋の方針を「諌める」意図で起こし
蒋介石は毅然と対応した。1936年12月。




以後、「内戦停止!」 「一致抗日!」
「中国人は中国人と戦わない!」
の、スローガンが踊るんだけど、
コレ実は「掃共停止」。共産党の延命工作で
全ては中国共産党の思うツボ。。なのだ。


盧溝橋以後も、日中戦争拡大を抑える為に
ありとあらゆる調整や交渉が行われたのに
拡大に歯止めが掛からなかったのは
随所に中国共産党の画策があったから。
共産党って、恐ろしいなぁ。。と思う。


松本さんも、まさかこの12年後に
中国全土が真っ赤になるとは、
思いもよらなかった、、と回想しているよ。

松本重治さんは戦後も国際文化交流の花形に。





そもそも孫文の革命である中国同盟会は
東京で創立されたものだし、、この本でも
出てくる中国人は皆、日本の学校出身で、
日本語も話せる。知日派ばかり。
個人レベルでは解り合えるんだけどなぁ。


松本さんはこの戦争の一端には、日本人の
中国理解不足が大きい、と嘆いているが
今だって中国のこと、共産党のこと、
知らないのは、致命的だと思うぞ。

虎ノ門ニュースは中韓や戦時中の話題が多い。




松本重治さんと同時期には、共産党スパイの
尾崎秀実が朝日新聞にいたし、
ハル・ノートを作ったハリーホワイトも、
日本国憲法起草に関わった占領軍の
トーマス・ビッソンも共産党スパイなのだ!


辺野古の反対運動は中国の工作員だし
「宮古・石垣占拠計画」も実際にあるという。
「知らない」って本当に恐ろしい。

詳しくは虎ノ門ニュースを見ると
色んな事に気づくことができる。
地上波のテレビや新聞では、絶対ムリな話。


地上波の偏向報道に虎ノ門ニュースが
実名入りでお灸を据える、BTOのコーナー。
地上波のテレビや、朝日、毎日新聞などが
真実を伝えていないことに愕然とする。


報道に命を賭けた戦時中の松本さんにも、
アチコチ敵を作りながら、ネットで真実を
教えてくれる虎ノ門出演者にも、感謝!
m(__)m