●椿と花水木~万次郎の生涯(上・下) @津本陽 | ★50歳からの勉強道~読書録★

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本は友達。一冊一冊を大切に記憶に留めておきたい。

いや~びっくり!ジョン万次郎って
むちゃくちゃカッコいいじゃないの!


遭難して、英語を覚えて、帰ってきた人・・
って、ただそれだけの印象しかなかった
けど、、、とんでもない!!


何より彼は、捕鯨船を操る一等航海士!
「あれほど豪気な船乗りは、他にいねぇ」
と、日・米の水主仲間も認める、
勇敢で、命知らずの海の男なのだった!







あの咸臨丸だって、嵐で勝海舟以下日本人
全員、船酔いで使い物にならなかったのを
ブルック船長と万次郎が操船したんだ。


「万次郎は今まで逢った人のうちで
最も優れた人物である。」byブルック大尉



ジョン万次郎の伝記は幾つかあるけど、
この本は特に捕鯨シーンが多く、ハラハラドキドキ
まるで冒険小説を読んでるみたい。
でもこれ、全て事実なんだよね。。

「万次郎少年と仲間達の群像」





土佐の極貧の手に負えない悪ガキが

初めての漁で遭難したのが14才、

鳥島で半年間のサバイバル生活。

アメリカの捕鯨船に奇跡的に救助され、

キャプテンは利発な万次郎を気に入り、
養子として育ててくれた。。。涙涙~~

鳥島でアホウドリを食べ、サバイバル





別天地アメリカでの幸せな生活、

人一倍の努力で優秀な学生となり、

謙虚で素直な異国の少年を、皆が温かく
受け入れ、愛される。。ラブロマンス・・涙

フェアヘブンで暮らす






一人前のシーマンに成長し、
捕鯨船に乗り、一等航海士として活躍。


そして突然の事件、悲劇、絶望、涙。。。


ゴールドラッシュに沸くカルフォルニアで
日本人初の金鉱掘り。命懸けで資金を貯め
鎖国の日本へ、打首覚悟、決死の帰還計画。


ミリセント図書館には万次郎の資料が。





10年を経て、恐る恐る琉球に上陸した
「罪人」は、ペリーの来航により一転、
幕臣となる。「ペルリではなくペリー、
熊と綽名される有名な提督ですよ」と、
教えてあげたのだー。(^-^)/


函館、長崎、薩摩、土佐など日本各地に
招かれ、日本捕鯨の進歩にも貢献する。
小笠原諸島、上海、ヨーロッパにも行き、
再渡米ではアメリカの友人との再会・・涙~

ハナミズキ





万次郎のアメリカの父は、鳥島で救助して
くれたキャプテン、ホイットフィールド。
中浜家との交流は万次郎の死後もずーっと
続いたんだ。素敵。また涙。。。


ホイットフィールド船長の家は、現在
万次郎記念館。





帰国後の日本で、父同然に庇護してくれたのは、伊豆の江川坦庵だ。
阿部正弘、川路聖謨、高島秋帆、永井尚志
など、開明派はみんな好意的だったし、


後藤象二郎、榎本武揚、大山巌は
教授となった万次郎の教え子なんだなぁ。


でも常に悲哀は付きまとう。日本の社会・・
身分が低いことで軽んじられ、
“アメリカのスパイ”と言われ、
攘夷志士にも襲われた。護衛の岡田以蔵が
いなかったら、谷中で斬られていただろう。








とにかくこの本を即、大河ドラマにして
ください!!と、お願いしたくなるほどに
天国↗地獄↘生と死↔愛と絆⤴希望絶望⤵
努力↗冒険↗別れ↘再会↗超超波瀾万丈。


場面も様々。鎖国の日本、自由のアメリカ
ハワイ、ゴールドラッシュ、ペリー、開国
咸臨丸、太平洋、捕鯨船、無人島、etc...
迫力たっぷり、総制作費ン十億円の
超大作となることウケアイだわ。(^o^)v






妄想主演は少年時代が、まえだまえだの
弟くん。平清盛の時より逞しくなったよね。


成人後は、やっぱりいつもの岡田クン。
万次郎は、背が低めでガッチリ体型、
知的なお顔・・なんだって。ピッタリね♡






そして何より、日本の花、椿(カメーリア)と
アメリカの花水木(ドック・ウッド)の
タイトルに込められた万次郎の想い。。。
もーただ涙。こんな凄い人生、あるだろか。


一番偉い人→鈴木貫太郎
一番カッコいい人→高杉晋作

に次いで、まきこんぐ史上
『一番スゴい人』に文句なし、認定。


「ジョン・マン」は、中浜万次郎となった。