●小説岩崎弥太郎~三菱を創った男 @嶋岡晨 | ★50歳からの勉強道~読書録★

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本は友達。一冊一冊を大切に記憶に留めておきたい。

三菱財閥創始者・岩崎弥太郎は
坂本竜馬と一才違いの土佐藩士。


全く違う幕末を生きた二人の“いごっそう”は、なぜかちょっと似ている。
海運への志と商才。型破り。


弥太郎が算術、算盤、商売人に
目覚めたのは、なんと牢屋の中。?


父の汚名を晴らそうと暴れて、入牢した時
“後家殺しの鬼三郎”に暗算速修法を
習った、というから、面白いでわないか。






土佐では旧長曽我部系が郷士、
関ヶ原の勝利で徳川から派遣された
山内家臣系が上士。
絶対的な身分の違いがあるのだ


弥太郎は低い郷士の出なのに
武市半平太の「勤王党」ではなく、
参政吉田東洋の「新おこぜ組」に属す。

あ、おこぜって土佐で幸運を呼ぶ貝ね。



上士・板垣退助と知り合い、「貿易論」を
東洋の甥である後藤象二郎に認められ
一員として取り立てられたのだ。


政治の中心にいる後藤とは終生深い仲で、
藩経営の「土佐商会」を預かって維新の
軍用金を提供し、新政府の情報をもらって
さらに稼ぎ、(インサイダーだね・・・)
後藤の娘を弟の嫁にもらっている。


廃藩置県後は、借財含め全てを個人所有
にして、「三菱商会」とする。
家紋をミックスしたエンブレムも誕生。



スリースター
 

岩崎家「三蓋菱」




山内家「土佐柏」

 


弥太郎の得意は猛烈な饗応接待作戦!
それはもう、エゲツないほどで。。


派手な宴会とオネエチャン&でっかい袖の下で
大隈重信、大久保利通も味方につけ
佐賀の乱、西南戦争輸送に大儲けした。


そして徹底的な利益独占主義!


民間による合本主義をとる渋沢栄一とは
全く相容れず、大論争の大喧嘩となり、
ひいては渋沢、三井、長州閥の「共同運輸会社」と、海運で決死の戦闘状態に・・・


ちなみに、
井上馨には妾を寝取られて、大激怒!
当の女性をひきづり出し、本当にでっかい
熨斗をペッタリ貼って、くれてやるーっ
とわめいたって、面白すぎ。


海運戦争は弥太郎の死後、弟弥之助の
最終攻撃で三菱の勝利。
日本郵船会社が発足し、三菱の支配は
不動のものとなったんだ。







大業を成し遂げた偉人だけどね、
独善的すぎて人間的にあまり好感は、、、


だいたい、幕末の中枢にいて全く
志士活動に興味なかったっていう
感覚 がなぁ~。。。(・・;)