●幕末史 @半藤一利 | ★50歳からの勉強道~読書録★

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本は友達。一冊一冊を大切に記憶に留めておきたい。

半藤さんは、よくテレビで戦争史など
語っているエライ人なので、著作も難しい
かと思いきや、まあオモシロイ!
わかりやすい!大感動の一冊。\(^o^)/



この本は、2008年、
慶應丸の内シティキャンパスの特別講座
での半藤さんのお喋りをまとめたもの。




なので、全編話し言葉。



これがまた、スイスイと分かりやすく
複雑な幕末の、、、
ワタシの細切れの知識を、、、
なめらかーに繋げてくれるのだ。







なるほどー。。
慶應元年、一橋慶喜が夜通し朝廷を恫喝
し、神戸開港を認めさせた、、ってハナシは



  「天皇が幕府の通商条約を認め、
    国策が“開国”で一致した」    という
大きな大きな意味があったんだな~~
    !щ(゜▽゜щ)



実際の講義はハリセンの講談調あり、
落語の人情噺調あり、果ては歌まで!
まさに“半藤劇場”だったようだ。



こんな楽しいキャラクターで
「昭和の語り部」と言われるんだね。








半藤一利さんは昭和5年(1930)
東京向島生まれの85歳。




文藝春秋や週刊文春の編集長から
作家になり、「日本のいちばん長い日」は
きたる8月8日に映画公開される。




勝海舟を“わが愛する勝っつぁん”と呼び
(会ったことないだろうが、、)
勝が奮闘した「あひるの水かき」ぶりを
随所に披露。(水面下の働き)




反面、維新は「薩長による暴力革命」と
言い切る、薩長嫌いの半藤さん。



戊辰戦争で“官軍”に猛然と抵抗した
越後長岡藩は父親の実家で、
子供の頃から、薩長の悪口は
耳にタコができるほど聞いたそうだ。



“賊軍”となった東軍は、
徳川に取って替わろうとする
薩摩土肥に抵抗したのであって、
天皇に弓引いたわけじゃない。



なのに「逆賊」扱いされて、靖国神社に
東軍の戦死者は誰一人祀られず、
廃藩置県では差別され、後の陸海軍でも
疎外され続ける。




「薩長なんて連中は泥棒そのものだて、
  連中の尊皇なんて屁みたいな理屈さネ」

     by   半藤さんちのおばあちゃん  ('ε'*)




東京の教科書で教わった「薩長史観」と
実際に聞いた「裏返しの歴史観」の差は
大きく心に残ったそうだ。




複雑な幕末史を、こんなにも解りやすく、
しかも楽しく教えちゃうって、
どんだけ頭のいい人なんだろ。




また素敵な先生に出会ってしまった。
(^з^)-☆