●西郷と大久保 @海音寺潮五郎 | ★50歳からの勉強道~読書録★

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本は友達。一冊一冊を大切に記憶に留めておきたい。

西郷吉之助(隆盛)と大久保一蔵(利通)は
薩摩の同じ町内に生まれた大親友
なんだそうだ。西郷が3つ歳上。



そして海音寺潮五郎さんも同じ薩摩人。
西郷隆盛をこよなく愛し、生涯彼を
描くことをライフワークとした。




「吉之助サァはどうしてあげん人気が
あッのかなア」



と大久保一蔵は独り言を言い、考える。



英雄的な風貌
ものに動ぜずいつも山のように沈着な態度
決断する場合の凄まじさ
潔癖なほどの心術
他人の長所に素直に感心する謙虚
豊かな愛情、、等々



とても敵わない、と思う。
そして、これほどの人物を最も親しい友に
もったことを誇りに思う。



海音寺さんは大久保利通のことも大好き
なのだ。      愛を感じるなあ。





なんですが。

実は読み終えて、全く誰のことも
好きになれず。ちょっとガッカリなんだ。




この本は西郷は入水自殺して死にかける
ところから始まり、物語中大部分は
流罪やら潜伏やらで登場しない。
奄美大島へ三年、沖永良部島へ二年。




その留守の間、大久保が西郷に代わって
地元の若者をまとめ、幕末の薩摩を
雄藩たらしめんと粉骨砕身する、、


彼なりの頭脳と策略で、ひとり地道に
階段を積み上げたんだ。






なのに、、




仲間たちも、藩の偉い人も、他藩の志士も
なにかというと西郷、西郷とラブコール。
西郷が戻ってくれば大丈夫だ!♡



私だったら完全にグレちゃうよねー。
(ー。ー#)





実際、二人は維新後、征韓論をきっかけに
袂を別つことになるようで。



海音寺さんは、二人の友情の熱く純粋な
ことしか語っていないんだけど、
全編に大久保の嫉妬を感じ続けてしまう
という、心苦しい結果に。(..)



というのも、二人の青春時代の物語は全く書かれておらず、寺田屋以降の記述はチョー駆け足。ザックリすぎて知識不足の私にはよくわかんなかったのだ。




西郷がどうしてかように人望があるのか?
幕末維新にどんな活躍をしたのか?

西郷と大久保の信頼関係も今一つギモン...




もそっと勉強する必要があるようで。
引き続き海音寺先生の薩摩講座を
読み進めるでごわす。