●ものがたり史記 @陳舜臣 | ★50歳からの勉強道~読書録★

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本は友達。一冊一冊を大切に記憶に留めておきたい。


1月21日、陳舜臣さんが亡くなった。90歳。

中国を最も理解する日本人、と言われる。



陳さんは元々台湾の人だが、
ご本人は神戸生まれの日本育ち。


大坂外国語大学では
司馬遼太郎の一年先輩に当たるそうだ。




日本の歴史本を読むようになって
まず感じたのは、飛鳥・奈良の昔から、
いやもっと前から、
日本人はとにかくものすごーく、中国の影響を受けてるんだな~。。ということ。




ならば中国史を知らなきゃ
始まらないではないか!



というわけで、陳舜臣と宮城谷昌光を
読むようになり、ついでにチャンネル銀河の中国大河ドラマを片っ端から視た。
(中国大河めっちゃ面白いよ!)



で、うろ覚えの知識でちっちゃい脳ミソ
満タンになった所で、「ものがたり史記」。




史記に書かれた中国古代からの逸話や
英雄のお話を、簡潔に分かりやすくまとめてあって、あ~そうそう!と確認。(^^)v



物語だけじゃなくて、司馬遷の書き方や
意図についても感想を述べている。



いろんな人物を温かい目線で描く司馬遷だが、
唯一秦の滅亡を招いた趙高だけは、
救い難い悪者!として厳しく弾劾する。

また屈原にはとても同情的だ、とかね。



さらに「春秋」や「戦国」などの用語解説や、

紀元前6世紀の逸話に  
驪山(りざん)が出てくれば、

後に始皇帝陵となり、
玄宗皇帝と楊貴妃のロマンスがあり、
蒋介石が監禁された場所ですよ、
なんて解説もある。   やさしー(^^)




そして陳さんご自身の言葉。



「中国人は史記の中に
人間のあらゆら典型と出来事のパターンが
述べ尽くされていると信じてきた。


明治以前の日本にあっても教養人必読の書
であり、宮中でも正式に教講されている。


史記は日中両国の共通の古典なのだ。」






私にとって陳舜臣さんは中国史の先生。
陳先生、これからもいっぱい読ませて
頂きます!




                                              合掌。