学びの日々 | Aussie Physio (オーストラリアの理学療法)

Aussie Physio (オーストラリアの理学療法)

日本で理学療法士として働いた後

オーストラリアでPhysiotherapist (理学療法士)になるために渡豪

そんな日々の中での気づき

お久しぶりの更新です。

やっぱり理学療法って難しい。

今日はそんな感じです。長いですので時間があるときにでも。


最近みている患者さんから苦情がでました。

一生懸命やってても、その人のためにと思ってても、

やはりコミュニケーションの難しさはいつでもあります。

英語だから?自分の言語じゃないから?

いろいろと考えるところはありますが、

言語の壁ってのは今の段階で一番ではなかったと思います。

理由としては、今では一日約10~15人、

多い時で17、18人をみてますが、

こういった苦情がでたことはありませんでした。

もし英語が原因だとすると

去年の8月から今まで約10ヶ月間、それこそ何回もそういった

苦情/コミュニケーションの問題はあがり得たと思います。

でもありませんでした。

じゃあなぜ今回、患者さんが僕が担当することに対して拒否したのか…


患者さんは22歳男性、腰痛にて来院。

2008年にも腰部の椎間板ヘルニアをわずらっており、

その当時他のPTと約1年間のリハを行っていました。

今回の受傷機転は重たい物を持ち上げている際に体幹をひねり

急性の痛みがおこり、そこからDrに受診、Physio をすすめられました。

問診の時点で、神経根症状を呈するような所見が認められませんでした。

痛みも局部に限局しており、SLRや感覚なども正常

これらのことから自分のなかでヘルニアの悪化というよりは

非特異性腰痛(筋などのスプレイン)と判断し、治療を行いました。

Drからは、フィジオの判断でCTやMRIが必要かどうかをきく

というように言われたようです(ここで思ったのが、もしレッドフラッグが

なければ、極力こういったものは患者さんの精神面の負荷を減らす、もしくは

イエローフラッグを減少させる目的から避けたいと思いました。)

なので、本人には症状として主に筋性のものであること、神経根症状がないこと

などから今の段階では待つようにすすめました。


治療内容としては、筋硬結がみとめられたこと、それが触診時に

本人が経験している痛みと同じであったことより

Dry needling を治療の選択肢としてすすめました。

痛みの機序、針治療の効果とうとうを説明後

本人の承諾を得た後に治療を行いました。

以前に針治療をされたことがないこともあり、少し緊張している様子でしたが

針をうった瞬間にこちらが期待している筋からの反応あり。

本人は少し痛いと言っていました(多分ここで、本人からのレスポンスを

もっと慎重に解釈する必要があったと思います。)

その後、AROMを測定、痛みは改善していました。家庭で行ってもらう

エクササイズと、治療後の注意点(疼痛、温熱など)指導したあと、

本人も納得したように帰っていきました。


数日後に再度来院し、治療後の反応を聞いたところ一日はよかったが、

また痛みが戻ってきたとのことでした。

さらに動きの評価を詳細に行ったところ、腰背部の深層の筋というよりは

浅層部の筋が過度に働いており、それが痛みを起こしていました。

そのため、いくら筋のストレッチや針でそれらの筋をリリースしたとしても

動きを改善しないと痛みがまた戻ってしまう可能性があることを説明

(この時に、納得してもらえたのかどうか、

正直その時点では100%自信はありませんでした。

本人の表情やレスポンスからなんとなく

それを感じとりましたが、

本人はそれを伝えようという感じはありませんでした。

僕らの職種からして、患者さんが言いたいことを僕らに言うのは

やはり勇気がいることなんだなとつくづく思いました。

言われるがままとまでは言いませんが、

こっち側の一人よがりになってないか

そういったことを確認する作業って本当に大事だなと思いました。)


そんなこんなで、2回目の治療が終了。

その後患者さんは再度Drを受診

どのような会話内容かはわかりませんが

3回目の受診時にCTスキャンのサマリーを持って来院されました

そこには、(L4/5の軽度椎間板ヘルニア)と書かれていました。。。


そして、2008年に撮ったときのCTサマリーも持ってきていました。

二つを比べると、全く同じことが書かれており

今回の受傷による悪化はみてとれませんでした


しかし本人の中では、やはり椎間板ヘルニアが原因だ!!

と思っていたのかもしれません。

そういったことは本人はその当時何も言われませんでした。

が、自分の感じる心が足りなかったですね。。。


あまりイエローフラッグを助長したくなかったので

二つのサマリーで相違がないこと、症状が筋性のものが主であることを

再度説明しました(本人の反応はあまりよくなかったと思います)。

ここが本当に難しいところです。これもまた、自分の判断が本当に正しいのか

それとも本当は椎間板ヘルニアなのか。。。

なにはともあれ、本人がどう思っているのか、それを聞くべきですね。

その後の治療はキャンセル、治療方針の違いによるものと、

自分が治療をしたのちに痛みが悪化したこと(リリースによるもの

というよりは、主に運動学習の部位にて)から

今後の治療を拒否となってしまいました。


正直、自分にがっかりしてるところがありあすが

落ち込んでても患者さんはよくなりませんよね。

それはわかっていますが、やっぱり思い通りにいかないのは単純に悔しいです

これから、もっと人の心がわかるPTになりたいです。

長々と読んでいただきありがとうございました。


P.S 落ち込んでも、そこから這い上がろうと決めるのは自分次第