先日、夫とアルノ川沿いを車で帰っていたら
同じ方向にチャリで走っているC氏を見つけた。
C氏は夫の元同僚だ。
彼の奥さんAさんは
微妙な年齢で乳がんを患い
放射線治療と化学治療と度重なる手術で
子供を作れなかった。
イタリア人は結婚するのも遅めだし
ゆっくり子供を作る人が多いけれど
まさかガンになってしまうなんて予想外のことだった。
同じ頃、私は2歳の娘を抱えていた。
彼女の目に、私と娘はどう移ったのだろう??
とても辛そうな目で私達を見ていた。
とある同僚の夕食会で
Aさんは、その場にいるのが辛くなって
帰ってしまったことがある。
私は子供を抱え
もう1人の同僚は、妊娠していた時だった。
ただでさえ、病気で辛い時に
さらに子供が作れない状態なんて
本当に、本当に、辛かったと思う。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240626/06/yum-yum-morocco/b5/4e/j/o0810108015456021082.jpg?caw=800)
その後、CさんとAさん夫婦は
子作りする年齢ではなくなり
養子を申請していた。
手続きが本当に大変だと言っていたけれど
彼らの目には希望の光が宿っていた。
Aさんは乳がんと戦った女性達が入る
カヌー教室に行って
アルノ川をカヌーで渡り、胸部の筋肉を鍛えていた。
フィレンツェ ドラゴン レディーというチームだ。
たまにみんな、ピンクのTシャツを着て
カヌーを漕いでいるのが彼女達のチーム。
同じ痛みを乗り越えてきたみんなが
語り合えるなんて、素敵なチームではないか!
Aさんは最後に脇の下のリンパを取り除く手術をして
全ての手術が終わった。
私はお見舞いに行き
あとは養子を迎えるばかりだね!
と、ワクワクしながらその日を待った。
つづく