その昔、私は大のお気に入りの
黒字に金ラメで超可愛いデザインの傘を
イタリアのスーパーで盗まれたことがあった。
詳しい状況は忘れてしまったのだけど
買い物中のカートから盗まれてしまったのだと思う。
私は落胆しながらスーパーを出ようとしたら
買い物客が家から持参する
買い物用カート置き場にズラーッと並んでいるカートの1つに
私の愛しの傘の金のJ字型の柄が刺さっているのが見えた
私は傘に駆け寄って、カートから引っこ抜き
無事、盗まれた傘を取り返して帰ってきたことがある
それ以来、買い物中の傘はトラウマとなってしまった。
なぜなら、イタリアの傘は安いと1日で壊れ
日本人的審美眼でコレと覚悟を決めて
高い傘を買ってみても3日で壊れるありさま
最近は良いものも出回り始めたけれど
とにかく高い上に、品質がいまいち不明なので
傘だけはストレス無く日本製を使いたいと思っている。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240625/08/yum-yum-morocco/9c/46/j/o0810108015455680395.jpg?caw=800)
昨日、年に何度と無い
傘持参での買い物に行った。
傘はカゴの奥底に見えないように隠して
買い物をしていた。
本日24日が、フィレンツェ守護聖人
サン・ジョヴァンニの日で祝日なので
昨日のスーパーは人でごった返していた。
あ〜、人混み疲れる〜
最後に薬局でお支払いをして早く帰ろうと
ちょっとお財布に手を伸ばして
カゴから手を離した途端
誰かが、自分のカゴと私の買い物カゴを間違えて
私の傘入りカゴを秒速で持ち去って行ってしまった
ほらね!私が傘を意識していたから
持って行かれちゃったんだ!
このトラウマの意識の強さったら、凄いではないか!
それはもう、見事な立ち去りっぷりで
私のカートは瞬く間に無くなった。
そして誰かの安売りのバリッラのパスタが
てんこ盛りになっているショッピングカートが
そこに残されていた。
いつものガランとしたスーパーであれば
私の買い物の品が入ったカゴを見分けられるだろう。
だけど、気分が悪くなるほど人がウヨウヨいる今
私は無理だ!と思ってデスクに飛んで行って
館内アナウンスをしてもらった。
物凄い数の人が館内で喋っているので
館内アナウンス、ひとつも聞こえないし
そしてデスクの店員さんに
「あなたね、過去に買い物カゴが発見されたことは
ほぼないから!あなたのバーコード読み取り機、
取り消してあげるから、それ、ちょうだい。」
私は全ての商品をセルフレジ用の
バーコード読み取り機で
ピッと読んではカゴに入れていたのだ。
私は泣く泣く、店員さんの言う通りにして
新しい読み取り機をもらって
念の為、薬局の前に戻ってみた。
すると、あった!
誰か、私のカゴを間違えて持って行ってしまった人が
気がついて戻ってきて
そのまま置いて行ってくれたのだ
良かった〜
今度は傘、隠しておいたから
取られていないし
良かった、良かった。
そして、バーコードを全て読み直した。
この話は、マラケシュを旅した
私の友人を思い出す。
彼女は、マラケシュの異臭漂う
皮革染色地区を歩いていた。
足元がビショビショで
こんな染色された水がヒタヒタの地面で
転んだら、溜まったもんじゃないよね!
と思った途端に
尻餅をついて転んでしまったのだという。
臭いし、汚いし、どーしよー
これも、転んじゃいけないと
思っているから転んじゃったワケで
傘が盗まれませんように
と私が思っているから
カゴが消えたりするワケよ。
それを想像しているから
その通りになっているってお話よ。
そういう思いすら手放せると良いよね