F女史がイタリアに来てくれたのは
とっても嬉しいけれど
夫は毎日仕事。
私も突然仕事が入る。
しかもF女史のワクワクが止まらない
イタリア1日目は、既に病院での医療通訳の
予約が入っていた。
病院の近くにマーケットが出ているから
私が仕事中、マーケットを見て待っていてもらおうと思う。
私はこの日の通訳の予約時間を
自分の都合で選べるので
10時半と12時半、どちらが良い?と事務所に聞かれて
12時半でお願いします、と遅い時間を選んでおいた。
なぜなら......
モロッコ人、朝、起きないから〜
モロッコ人は朝、ゆっくり起きて
ゆっくり朝食を食べて
それから1日が始まる。
昼食は14時〜15時
粉物の重めのおやつ 18時
軽い夕食を、21〜22時といった感じ。
F女史は一人暮らしなので、
モロッコ人の家族とのおやつの時間を
あまり重視しない人なので
そのまま夕食に突入しても問題ないことを
長年F女史と過ごしてきて解っている。
案の定、F女史は朝起きて来なくて
10時頃、ボーッと起きてきて
我が家のテラスで、朝イチのカフェとタバコを燻らせた。
これで朝起きる儀式完了。
この日、彼女が起きて来ないうちに
熟したバナナがあったので
私はバナナケーキを作っておいた。
F女史は喜んで
焼き立てのバナナケーキを食べて
全粒粉パンを一枚、ジャムをつけて食べた。
そして、私は仕事に行くから
あなたも用意して、一緒に出かけるわよ!と言うと
そそくさと用意しに部屋に戻っていった。
2人でトラムに乗ってマーケットの場所まで行って
マーケットを見て、疲れたら、この辺のバールで
カフェ飲んで待っていてね!と言って
私は病院へ。時間ピッタリに到着。
その日は随分と時間がかかる仕事だったので
14時過ぎに終了。
F女史をピックアップしに行くと
「今、アメリカ在住の弟S氏と喋っているの。
あなたも喋りなさい!」
と電話をかわって
最初英語で喋っていたら
彼はイタリアに6年間住んでいたことがあって
イタリア語も喋れるとのことで
なーんだ!とイタリア語で喋った。
彼が今回のF女史のイタリア行きを
援助してくれているのだ。
彼は自分が年金生活に入ってアメリカからモロッコに帰る時には
家族全員が円満に一同集まれるようにと願っている人で
離婚後にモロッコとイタリアで壊れてしまっている
彼の兄M氏の家族の関係を、少しでも取り戻せるように....と
F女史を送り込んだのだ。
私は
「F女史は色んな所に行きたいみたいだけど
出来る限り願いを叶えられるようにするからね!」
とS氏に言っておいた。
F女史は
「こんな可愛い夏物ジーンズを買っちゃった!」
と、薄手の涼しめのジーンズを
もうちゃっかり履いて歩いていて驚いた
それはオシャレな彼女にとっても似合っていた。
私は彼女とトラムに乗り込み
空いた席に座らせた。
彼女が座った時に
ガンと肘が隣の高校生にあたってしまい
最初フランス語で咄嗟に
「Pardon!(失礼!)」と言ったのね。
隣の高校生が明らかにモロッコ人の子供ってお顔だったのだけど
彼は「僕、フランス語話せないから!」とイタリア語で言っていたので
私に、こういう時
イタリア語では何て言うのか?と
いつものF女史節でガッついて聞いてくるので
「Mi scusi!」(肘エルボーしてごめんなさいねの意味)だよ
と言うと、盛んに「ミ スクーズィ!」と言っていて(即実践)
イタリア語習得に努めていた
なんて言うか、1日目からこれだから
「喋りたい!」という欲望が
日本人の20倍くらいある気がするよね。
この勢いでみんな語学習得をするから
モロッコ人は何ヶ国語も一気に習得出来ちゃうんだよね
ホント、凄いよ。
持って生まれたエネルギー量が違う感じ
私とF女史は、娘と中心街で合流するのに
バールのテラス席に座った。
私は食前にカフェは要らないのだけど
F女史は、カフェとタバコがセットじゃないと
居られない人なのだ。
だからタバコを一服したくて
プルプルしているF女史に付き合って
外の席があるカフェの美味しいお店に連れていった。
彼女は自分のカフェをオーダーしに
中に入って行き、店員さんがフランス語が上手で
お喋りしてくれたと喜んでカフェを持ってきた。
娘が高校から合流して
F女史と一緒にピッツァを食べに行った。
F女史は、これから毎日ピッツァを食べるんだ!
と言っていた
「自分はカリッとしたピッツァが好きなのに
なんでこのピッツァは柔らかいのか?」
と本場イタリアのナポリ風ピッツァに文句を言っていたよ
カリッとしたピッツァはローマに行かないと無いよ
食後、夫と合流して
車で眺めの良いミケランジェロ広場と
バラ園にお散歩に行った。
今年のバラは早めに咲き始めていたようで
5月9日の時点で、一番綺麗な時期は去ってしまっていたけれど
この時期のローズ・ガーデンは外せないよね
取り敢えず、1日目はフィレンツェを満喫したF女史。
これから、スムーズに旅が進みますように