N.Y.で夜中に響いていた銃声 | イタリアでモロッコごはん

イタリアでモロッコごはん

イタリア在住 リツコがモロッコ人と結婚を決めた途端、介護同居生活が始まり今に至るドタバタと、美味しいモロッコ&地中海料理について語ります♪

高校生の頃の私は

アメリカに短期留学するために

交換留学制度のある高校に入り

 

ボストンの姉妹校に短期留学できる

選抜生徒に選ばれるため

一生懸命英語を勉強していた。

 

 

今や、英語を話そうとしても

イタリア語しか出てこない

イタリア語脳で固まってしまっているけれどえーん





 

 

当時、私は英語しか知らなかったし

外国語は英語しか喋れなかった。

 

 

他に選択肢は用意されていなかったし

メディアもアメリカ、イギリス、

英語市場が儲けられるように

英語圏への留学ばかりが推奨されている時代だった。

 

駅前留学のCMとか、凄かったの覚えているかな??

 

 

雑誌ではアメリカでの楽しそうな留学生活が特集され

教育熱心な親御さんは

子供達のより良い将来を考えて

盛んに留学させただろう。

 

 

そんな時代のハロウィンに

服部君射殺事件は起こった。

 

 

きっと私と同じ思いで

英語を習得しようと思ってアメリカに行って

親御さんも教育熱心で特に英語教育に力を入れていたという。

 

 

私なんて、ただアメリカが見てみたくて

ミーハーな気分で留学する機会を探っていただけだけど

服部君のような親御さんの期待も背負っていたのであれば

なおさら、あの事件をニュースで聞いた時は背筋が凍る思いだった。

 

 

服部君は、ホストファミリーの同級生のアメリカ人と

訪問する家を間違えて、ハロウィンの仮装をしたまま

銃で撃たれて命を落とした。

 

 

私は、自分もアメリカ行きを希望していたからこそ

あの事件には衝撃を受けて、毎年ハロウィンになると思い出す。

 

 

銃社会とはどういうものか?

正当防衛として自分の身を守るために

相手の命を奪っても良いのか?

 

 

考えれば考えるほど、苦しくなる。

 

先日のフロリダのハロウィンの銃撃事件を見て

改めて、服部君の事件の記事をウェブ上で読んでいたら

 

さらに悲しくなる、衝撃的なニュースが.....。

 

 

 

銃撃の現場で、服部君と一緒にいた

ホストファミリーの息子、ウェブさんが

46歳で自死したと書いてあったのだ.....。


いや、病むよね。

 

16歳なんて、身体は大きくても

中身は子供の年齢で

そんな衝撃的なシーンに遭遇して

 

自責の念に駆られながら生きてきたウェブさん。
彼は心理カウンセラーだったらしい。

 

事件当日の警察署で、服部君のご両親が可哀想と呟いていた彼。

 

 

 

彼らと同じ時代を生きてきたからこそ

今、奥さんと、小さな2歳の娘さんを残して

この世を去ってしまったウェブさんを思うと

やりきれない気持ちになってしまった。

 

 

私が、あの事件の翌年

初めてアメリカの地に降り立ったニューヨークの

1日目のホテルの裏で夜中に、

パンッという乾いた銃声を聞いた。

 

 

あぁ、こんな一瞬で

人は命を落としてしまうのかな…。

 

 

そんな儚さと、虚しさが広がり

ニュースではまるでゲームのように

戦争の映像ばかり


防衛費とか言いながら莫大なお金が

誰かの命を落とすために動いている事実と

 

その命の裏には、沢山の家族がいることに目を瞑って

爆撃を続けたりしている世の中が

信じられなくて、自分には何もできなくて

いつもニュースから目を背ける。


ウェブさんが残した言葉

「現代の民主主義社会で銃を持つことは何の役にも立たない」


もしかして、ウェブさんは

私でさえ目を背けるテレビの報道の銃撃の映像など

見るにたえられなかったのではないかな?

と、ふと思ってしまった。