モロッコのお互い様文化 | イタリアでモロッコごはん

イタリアでモロッコごはん

イタリア在住 リツコがモロッコ人と結婚を決めた途端、介護同居生活が始まり今に至るドタバタと、美味しいモロッコ&地中海料理について語ります♪

昨日のブログで

モロッコでは音楽を夜通し大音量で流していても

近所から苦情が入らない、と書いた。

 

 

それは何故でしょう?

 




 

 

 

 

何故なら、いつか自分達も同じ大騒ぎをするから〜ニヤニヤ

 

 

 

結婚式を家で開催する人は

今では少ないけれど

ホテルで結婚式をした後の

2次会はお家で....なんてことは多々ある。

 

 

お金をかけた誕生会は、夜通し家で踊りまくる。

 

モロッコはお互い様文化があるから

その時の一瞬の騒ぎに腹を立てたりしないでいられるのだ。

 

 

それは病で倒れたり

突然経済的にうまく行かなくなって

貧窮に陥ってしまった時も一緒だ。

 

 

どこからともなく助けの手が差し伸べられる。

 

 

誰かが病んでいれば

ワラワラと近所の人が

ヨーグルトやフルーツやスープなど

食べられそうなものを抱えてお見舞いにくる。

 

 

誰かが一文なしになってしまったら

近所の人がお金を寄付して届けてあげる。

 

 

うちの息子がかつて交通事故にあった時も

毎日ひっきりなしに近所の人がお見舞いにきて下さって

冷蔵庫はヨーグルトやお菓子だらけになってしまった。



私は驚いたと共に

その皆さんの気持ちが嬉しくて

いつもウルウルしながらお迎えした。

 

 

傷口が痛くて泣いている息子に

「これでママに、好きなものを買ってもらいなさい」

と、お小遣いをくださる人もいた。

 

 

これはイスラムの助け合いの文化。

当たり前のようにこういう助け合いが繰り広げられている。

 

 

何か家族間で問題があっても

決定的な最後の一言は言わない傾向にある。

それは、関係を決裂させないための一策でもある。

 

 

決定打は、神の手に委ねている。

 

 

本当に、神様が見ていたかのように

「マジ、許せない行為」とかには

介入しなくても神からの罰が下る。

 

 

私も義姉が足を切断して、精神的にも大荒れで

周りの親戚を巻き込んで大騒ぎになってしまったことがあった。

 

だけど、私達夫婦は

解決策を神様に委ねていたので

翌年には、誰一人我が家に入れないようにしてもらえた。

 

 

こうして、不思議なことに

最後には全てうまくいくようになっている。

 

 

最近の日本では、ご近所の人に頼ることもなく

本当に孤立しているから

何かあった時、大変なことになってしまう。

 

 

それに伴う心配も半端ない。

それを解決する金額も、半端ない。

 

 

モロッコでは誰も、何も、心配していない。

何かあったら、誰かが助けてくれるし

いくら大騒ぎしても、あぁ、またやってるわ〜

くらいの反応だ。

 

 

その関係が面倒臭いな〜と思うかもしれない。

 

私も半身不随の義姉と同居することになってしまって

「マジすか?新婚生活、お先真っ暗じゃんガーン

と思ったよ。

 

 

だけど、同居していて

義姉がそのうち復活してきたから

大学に行っている間中、2歳になるまで

義姉に娘を面倒みていてもらえた。

 

 

私は、自分が大学進学するなんて思っても見なかったので

娘が親戚の手によって守られたことが信じられなかった。

別に誰も狙ってやったことではないのだ。

 

 

モロッコのお互い様文化を

意図せずイタリアでも繰り広げてしまったのだ。


この助け合いさえあれば

日常の心配も

余分なお金の心配も無くなるのだけど。

 

 

みんながこれを信じていれば

簡単に成立するのだけれど

「んなこと、無理でしょ!」

って一人でも思ってしまうと崩れる世界キメてる笑い泣き