割に合わないこと | 私のイタリア時間

私のイタリア時間

イタリアに住みはじめて、20年もの月日が経ちました。
イタリアでの何気ない日々。流れる時間の中で起こる、ふとした出来事や思い。
このブログでは、そんな日常を1枚の写真と共に書き綴っています。

2024/8/2


8月になった。





オリーブ畑に向かう途中、コントロール中のパトカーに出会った。「免許証はありますか?」運転するのは友人だけれど、私の分も見せろと言われた。まあ、問題ないので素直に見せると、今度は、「アイデンティティカードはありますか?」と聞かれる。持ち歩かない時もあるから、ラッキーだった。そして、また聞かれた。「滞在許可証は?」それは持ち合わせていなかった。イタリアでひったくりに遭った経験をしているから、とられた後の再発行の面倒を考えると、基本、余分にいろいろ持ち歩きたくはないのだ。「あいにく、更新中です。」と困惑した顔で答えると、友人は言った。「問題なさそうな人をコントロールするんだよね、イタリアって。」最悪、携帯に写真が残してあるから、問題ないけれども、更新に、一年以上の月日を平気でかける割に、こういうことは、しっかり詰問してくるんだと、少し呆れた。でもまあ、彼らもきっと、1日のノルマというものがあって、レジメ通りに動いているに過ぎないのだと思う。彼らに罪はない。私にも罪はないけれど。携帯の中の滞在許可証を見せようと思ったら、「もう良いです。どうぞ。」と言われた。少し、拍子抜けしたけれども、見たからと言って、何かあるわけでなし、実は、アイデンティティカードから情報をあたれば、どんな滞在許可証を持ち合わせているかも、すぐに分かるはず。でも、警察官から尋問されると、緊張するのは、何故だろう。この国に生きていると、割に合わない事って、沢山ある。そういえば、出がけに見ていたオリンピックで、途中棄権を決意した女性のボクシングの選手が涙ながらに「決断に後悔はないです。」と言っていた。その対戦相手が、本来男性のトランスであったことの不運と言ったら、それこそ、割に合わないと言うものだろう…と思う。世の中は一体、どこに向かっているのか?と、時々思ってしまうのである。










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