イタリア人の、微妙な距離感 | 私のイタリア時間

私のイタリア時間

イタリアに住みはじめて、20年もの月日が経ちました。
イタリアでの何気ない日々。流れる時間の中で起こる、ふとした出来事や思い。
このブログでは、そんな日常を1枚の写真と共に書き綴っています。


注文したものが
家の近所の Tabacchi (タバコ屋)に着いたというんで、
いそいそと取りに行く。


お昼どきの時間なら
人もそんなに居ないだろう…と見込んでの外出。

中には二人ほどいたけれど
まあ、想定内。


そこの Tabacchi は、
先日、いきなりオーナーが変わったとかで
新しいおばちゃんがいたのだけど、
なかなか要領を得ない。
ちょっとした事で、時間がかかっていた。


しばらく待っていると、
もうひとりオッチャンが入ってきた。

そして、
私の横に並ぶ。

後ろに…でなくて
隣に。

ともすれば、
前の人が終わった瞬間に
スグに行きそうな…
そんな位置に立っている。


嫌〜な緊張感が漂う。

いや多分、
私の方がピリピリ感を少し出していたのかもしれない。

別に、譲っても良いのだけれど、
隣に並ぶって嫌だなぁ。
私もさっきから、待ってるの。
そんな意地が自分にある。

イタリアで割りにある、
この横並び行為に、
いつもピリピリさせられる。

もっと、心を広く持ちたいもんだと思うけど、
私も人間。
感情は、そう上手くは良い子になれない。


何分経ったのだろうか、
ようやく、
「次の人」ということになった。

私は手を挙げる。
「はーい、私です。」みたいな感じで。

この時おばちゃんは、
咄嗟にオッチャンの方を優先しかけたのだけれど、
オッチャンの方が言った。

「彼女の方が先です。」


ああ、こういうイタリアが
本当によく分からない。

オッチャンは、良い人なのか、どうなのか。

譲ってくれる…ような行為は
明らかに良い人なのだけれど、
そもそも、譲る…というよりは、
もとより、私の後ろ。
だったら、なぜに
後ろに並ばないかね。


なんだか、よく分からないまま、
「グラッツェ」とオッチャンに言い、
ああ、これじゃあなんだか
本当に譲ってもらった人みたいだ…と
どことなく気まずく、
Tabacchi を後にする。




もう何年経っても、
この
イタリア人の微妙な距離感が
掴めないんだよなぁ…と
思いながら。






今日もありがとう!
⬇︎



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