* 小さな村の物語 イタリア モンペーオ / ラツィオ州(BS 日本テレビ)
イタリア中部の緑に包まれたなだらかな丘の上にある農業が盛んな村。
そこに住む人々は自然の恩恵を受け、暮らしを繋いできた。
長年ローマの大学で働き、10年前に村へ戻ってきた70歳の男性。現在は緑豊かな環境で、イギリス文学の翻訳をしている。詩人であり、将来は自分の生きた証として本を作りたいと語る。
「私は逃げて来たのではない。自分ともっと繋がる為に都会から離れてきたのです」
ひとりで暮らし、穏やかで豊かな日々を送っている。
* 今年89歳になられた脚本家の倉本聰さん。
39歳の時、脚本を務めたNHK大河ドラマ「勝海舟」の制作サイドともめ、北海道・千歳空港行きの飛行機に乗った。
「後日、ある新聞記者からインタビューを受け、『なぜ北海道だったのか、僕、わからないんですよ』と答えたら『ああ、人は負けると北へ行くんです。“敗北”っていうでしょ』ああ、なるほどと妙に感心、納得したことは覚えています(笑)」(*2019年03月18日東京大学のインタビューにて)
倉本さんの代表作には「北の国から」「優しい時間」「風のガーデン」など北海道を舞台にした素晴らしいドラマがたくさんある。
* 学生の時の友人は、北海道の日本海に位置する最北の離島・礼文島の出身だった。
夏休み、冬休みになると帰省するのだが、当時は大変な遠距離。羽田から札幌、札幌から在来線に乗り稚内へ、そこからフェリーに乗る。
彼女は読書が大好きだった。小さなアパートの2つの本棚に入り切らない本が床の上に積み重ねられ、拾ってきた子猫と静かに本を読む生活を好んでいた。
短大を卒業して社会人になり、学生の時とは異なる人達と出会い、読書する時間もなくなり、いつの間にか子猫は大きくなり開け放した窓から失踪した。
彼女は2年勤めた会社を辞め、ご両親が待つ生まれ故郷へ戻った。礼文島は、冬の寒さは厳しく、夏には約300種の高山植物が咲く美しいところらしい。友人はそこに自分の幸せがあると再確認したのだと思う。