「あたりまえだけど、自分たちが行くみち」 | Y's Diary

“問わず語りの神田伯山” TBSラジオ 2024年03月15日より

 

絶句とは、話や演説の途中で言葉に詰まること。また、役者が台詞 (せりふ) を忘れてつかえること。

 

名人と言われる大ベテランの落語家が高座で絶句することがある。

 

8代目桂文楽師匠が絶句した時には「申し訳ありません。もう一度勉強しなおしてまいります」と高座を降り、その日以降、2度と高座へ上がることはなかったという。

 

数週間前の高座で、92歳になる三遊亭 圓輔(えんすけ)師匠が絶句した。

 

別の話しが混ざる、同じことを何度も言う、話しが進まない。25分〜30分の予定の高座が40分になり、50分になり、お客さんも「あれ?」と思い始める。

 

舞台裏にいた落語家の米太郎師匠が圓輔師匠に近寄り「師匠、申し訳ございません!お時間が!」

あくまでも「師匠のせいではありません、こちらのせいです」という体裁を取る。

「ああ、そうかい」と、圓輔師匠は不完結で高座をおりる。

 

下がってきた圓輔師匠に舞台裏にいた前座たちが「ありがとうございました!」と声をかける。

 

師匠はゆっくり着替え、皆の顔を見て「みんな、面倒かけたね。明日もよろしくね」と言い、土砂降りの雨の中を傘をさして演芸場を出て行く。

 

「もちろん、あたりまえだけど、自分たちが行くみち」と、伯山氏。

 

翌日、92歳の圓輔師匠の素晴らしい高座、大勢のお客さんが大喜び!

 

弟子たちが「勉強になりました!」

 

「落語家として全部を見せる姿。あらためて寄席は素晴らしいと思った」と語る伯山氏。

 

私にも親、人生の先輩たちがおり、その姿をしっかり自分が行く道としてお勉強させてもらえるのは

有り難いことだと思う。