中学3年生の夏、もしこのマエストロに出会っていなかったら………
私はいま、演奏家をしていなかったかもしれない。
音楽の底なしのパワーも知らなかったかもしれません。
その恩師は、指揮者・小林研一郎先生。
私が所属していたジュニア・フィルハーモニック・オーケストラは故・山本直純先生が熱く指導してくださっていましたが、夏のサマーキャンプは外部の先生が振りに来てくださるというのが恒例でした。
中学3年生と高校1年生の時のサマーキャンプに来てくださったのが、小林研一郎先生。
子ども相手でも、これっぽっちも妥協しない高い要求。
底力をどんどん引き出してくださる、魔法のようなリハーサル。
とにかく……熱い
松岡修造なんて比べものにならない熱さ
この小林先生とご一緒してから、私は「プロのオーケストラ奏者になりたい」と強く望むようになり、小林先生が指揮されるたくさんのコンサートに足を運び、小林先生ご夫妻にはとても可愛がっていただきました
マエストロ・山本直純先生と、マエストロ・小林研一郎先生。
2人の偉大な指揮者の洗礼を受けて子ども時代を過ごせた私は、本当に幸運だったとしか言いようがありません
先日、小林先生の奥様から「7月29日〜31日に蓼科で音楽祭があるんだけど、来ない?」とが。
ちょうどこの3日間だけ申し合わせたかのように空いていて、第6回蓼科高原みずなら音楽祭に参加してまいりました
新宿からバスに揺られてGO
お弁当は、なんと伊豆荣
モーツァルト:弦楽五重奏曲KV.406を、ヴァイオリン3本+ヴィオラ+チェロで弾いてみました
超豪華メンバー!
マイナスイオンと毒キノコ。
この音楽祭で初めて知り合い、いつも笑顔で私を支えてくれた、ヴァイオリ二ストの桑田みどりちゃん。
本当にたくさんの出会いがあったこの音楽祭。
ガイダンスがあり、すぐに弦分奏。
その後すぐに、レクチャーコンサートを鑑賞
夕食後は、元・文化庁長官の近藤誠一さんによる講義。
「見えないものを見る、日本人の心」をテーマにしたお話でした。
近藤先生はこんな著書も出されていますよ↓
23:00まで個人練習をし、就寝
音楽祭2日目。
午前中はヴァイオリンの分奏をした後、木管楽器も一緒に分奏。
そして午後は、ついにオーケストラのレクチャーコンサート
ワーグナーの「タンホイザー序曲」を、リハーサルなしでいきなり合奏し、それをマエストロ・小林研一郎先生(以下、コバケン先生)がリハーサルをしながら完成させていくというコンサート。
汗だくになりながらもみんな必死に喰らいつく
忘れていた「青春」の感覚
暑かったし熱かった。
やっぱりコバケン先生はすごいや。
これは控え室の様子。
コンミスの瀬崎明日香さんとおしゃべりしてますが、私は楽器も持たずに何してるんだ??
今回私は第2ヴァイオリンの首席として参加させていただいたので、大事な打ち合わせをしている事にしておこう
夕食後は、参加者によるミニコンサート
私も演奏させていただきました!超豪華メンバー!
みんなすごいプレーヤーなのに、気さくで驕らない、人間的にも素敵な先輩たち!
お仲間に入れていただけて、感謝です
コンサートの後は、このベストセラーを監修された山田豊文先生による講義。
23:00まで個人練習をし、部屋の窓ガラスにやって来た蛍を鑑賞しながら就寝
さて、音楽祭最終日!
あまりに良いお天気なので、朝食後にお散歩へ
同室のお2人も一緒
3日間お世話になった蓼科フォーラムの前でパチリ
この蓼科フォーラムは、なんと11月30日で閉館なんだそう
まだまだ綺麗だしごはんも美味しいのに……メンテナンスの問題でCLOSEしてしまうそうです。。
ぜひ11月末日までにみなさんも泊まりに行ってくださいね!
さぁ最終日は蓼科から茅野に移動し、コンサートです
コバケンTシャツがユニフォーム。
首席だと、こんな間近にマエストロ。
スタンドパートナーの福田牧子ちゃんとパチリ
後ろに写ってるのは、高校3年生と大学1年生の若く麗しいお2人
この茅野公演には、アマチュア演奏家の方々も加わります。
また、視覚障害の方も4名加わり(うち2名は、レクチャーコンサートにも参加)、盲導犬のアリエルも参加
視覚障害の方々は、点字の楽譜で勉強されていたり、音源から勉強されていたり。
そして、オーケストラの中では全曲暗譜で演奏される訳です。
本当にすごい………
指揮だって見えないのに、そんなの問題なくアンサンブルをなさる。
楽譜も指揮も見える私たちは、普段から一体何しとるんじゃ、甘えるんでないって感じです
お昼は甲州カツサンド
コンサートはというと……
またもや熱く、素晴らしいものになりました。
なんだかよく分からないんだけれど、コバケン先生の音楽の渦に飲み込まれたような感じで、気づいたら濁流の中にいて、ぅおぉおーってヴァイオリン弾いてるんです
表現力が乏しくてすみません
プロもアマも障がい者も健常者も関係ない。
「音楽」はそんな壁もぶち壊してしまうというのを身を以て感じたコンサートでした。
小林研一郎先生、素晴らしい経験を、ありがとうございました!!
終演後、蓼科高原みずなら音楽祭茅野市応援団のみなさまから、蓼科高原朝採りキャベツとひまわり作業所のクッキーをお土産にいただきました
中高の後輩で、一緒に部活でホルンを吹いていて、今回は打楽器で参加の小山田薫さんと、高校卒業ぶりの再会。
茅野公演ではスタンドパートナーとしても支えてくださったヴァイオリ二スト福田牧子さんと、チェロの副首席を務められた石川理史さん。
久々に、青春のような風を感じることができました
思った以上に身体に来てて風邪ひきそうですが……
コバケン先生ご夫妻、スタッフのみなさま、参加者のみなさま、ありがとうございました!