世の中で「子どもは大切に!」「子育て家庭に支援金を!」というように「子ども」がキーワードに上がることはとても多い。
とてもありがたいことです。
けれど、子どもが嫌いな人もいれば、子どもに恵まれず、子どもを見るだけで辛い思いをしている人もいる。
みんながハッピーな気持ちになることは本当に難しい
実際私も30代に入るくらいまで、子どもは何を考えているのか分からない謎の生物でしかなくて子どもが苦手な人間だったし、結婚したらなかなか子どもに恵まれず、子連れの親子を見るだけでとても悲しい気持ちになる数年間があった
子どもが産まれてからも、まだ生後半年くらいの子どもを抱っこ紐に入れて電車で席に座っていたら「子どもの足があたっている」と隣のおじさんから苦情を言われたり(子どもは寝ていて、実際は触れているだけ)、コンクールを受けるために1歳の息子を連れて飛行機に乗ったら、通路挟んだ反対側の席の女性から離陸前に「私、ベビーアレルギーなんで絶対に声を出させないでください」と言われたりしたこともある
しかも、無断でバシャバシャ写真を撮られ、「勝手に写真を撮るのはやめてください。その写真をどうなさるんですか?」と聞いたら「SNSに挙げます」と言われたのだ
この時点でまだ息子は寝ていて、一声も発していない……
この飛行機の時は、男性の客室乗務員さんが神対応をしてくださり、また、ことの一部始終を見ていた遠い席の男性のお客様が、このベビーアレルギーの女性と席を交換してくださり、ありがたすぎて涙がポロポロと溢れて来た経験がある
(これを書いている今も涙が溢れるくらいに、この経験は衝撃的だった。)
また、コロナ禍に地方のオーケストラのエキストラに呼ばれて行ったとき、突然、託児所が閉鎖となり、GP前に少しだけ楽屋に子どもを連れて行かなければならない事態になった。
しかしこのオーケストラでは暗黙の了解として「子どもの話はするな」「子どもを連れてくるな」というルールがあったらしく、当然それ以来、オファーは途絶えた。
それくらいに「子ども」というキーワードはとても繊細で、私には「子持ち万歳!」「子持ちが優先!!」などという思考にはなれないのである。
よく、「マンションで子どもの足音の苦情が来た」という話を友人達から聞く。
子持ち目線だったら「足音は仕方ない」だけれど、なかなか子どもを授からなかった時代にマンション暮らしをしていた私には、子どもの足音が上から降ってくるのだけでノイローゼになりそうだった経験が蘇る。
「マタニティマークつけてると、ホームで後ろから押されたり嫌がらせ受けるから気をつけた方が良いよ」と妊娠中に同僚から言われたことがある。
そういう気持ちになってしまう人がいてもおかしくないよな、と妙に納得しながらも、結局マタニティマークはつけたまま妊婦生活を送った。
かと思えば、不妊治療をしても子どもを授かれなかったから、逆に、天職と感じて保育園の経営者になった人もいる。
何を言いたいのかと言うと、いろいろな価値観の人がいる、ということ。
喜ぶ人の裏側には喜べない人もいるんだ、という事を頭の片隅に入れておかねばならない、ということ。
そして、経験してみないと分からない事が人生には溢れている、という事。
人生って難しい!
ひとつひとつの小さな幸せをしっかりと噛み締めて、小さなスマイルを積み重ねていきたいですね