世界観episode60~パソコンの時代の到来と自信回復の芽(HSP社会人前編⑤)

 

 

  前回は

  いったんは諦めていた

  外務専門職への夢が

  現状のつらさから

  再燃したことをお話ししました。

 

 

   世界観episode59~苦悩と諦めきれぬ夢の再燃(HSP社会人前編④)

  

 

  今回は、

  職場にパソコンが配備された

  ときのことを

  お話しします。

 

  平成11年に

  私の職場に

  パソコンが配備されました。

  

  それまでは、

  そもそも世の中で

  パソコンが一般的では

  ありませんでした。

  

  当時は

  文書の作成は

  パソコンではなく

  文書はワープロで作成、

  通信手段は

  メールがないので、

  手紙か電話かFAXでした。

  

  複写系の用紙が

  書類作成の中では

  割と出回っていました。

  複写なので、

  基本手書き書類です。

 

  というのも、

  今でこそ普通のコピー用紙に

  同じ内容が印字されて

  時間短縮ができ、

  正確性が担保され、

  見た目も美しい書類が

  当たり前ですが、

  当時は、

  そんな技術がありませんでした。

  

  ワープロは感熱紙印刷。

  感熱紙で印刷した物を

  コピーして配付するスタイル

  だったのです。

 

  このため、

  決定等の通知書も

  相手が3者いる場合は、

  ワープロが使えないため

  手書きとなります。

 

  手書きの場合の

  時間短縮・正確性が担保され、

  見た目は二の次の

  2部又は3部複写が主流でした。

 

  この複写の書類は、曲者でした。

  

  というのも、

  3枚複写の場合、

  書類の束から

  対の3枚を

  剥ぎ取って使います。

  

  この剥ぎ取るときに

  3枚が塊の形で

  きれいに

  ちぎれるようになっていません。

 

  おかげで

  書類を記入するとき、

  綺麗に重ねたつもりでも、

  2枚目用紙が

  ずれることがあるのです。

 

  そうすると、

  2枚目がずれて

  複写されてしまいます。

 

  あまりにもずれが酷い場合は、

  書き直しが

  必要になります。  

  

  しかも、

  筆圧が薄い場合は、

  3枚目は下手をすると

  薄過ぎて判読不能になります。

  この場合もまた、

  書き直しが必要となります。

 

  (口座引き落としの申請書で

   経験された方もあると思います。)

 

  そして、

  2枚目に折れ線が

  青い線で

  いっぱい複写されていたり.....。

  

  決定通知の場合は、

  間違えるわけにはいかないので、

  書き損じると

  書き直しをする必要があります。

 

  しかも

  用紙が手に付着した

  ボールペンにインクで 

  汚れた場合も

  書き直しが必要になります。

 

  この

  複写用紙ですが、、

  手触りがぺちゃっとした

  独特の感触でした。

  そしても複写のための

  用紙は独特の臭いがして、

  用紙を収めてある棚を

  開いたときや、

  新しく用紙の束を使うときは

  包装紙にこもっていた臭いが

  いっきに感じられ、

  それも嫌でした。

 

  もっとも、

  この点については、

  私以外の人は

  誰も

  気にしていないようでした。

 

  episode57でお話ししたように、

  音や視線が苦手な私にとって

  この複写用紙を使う作業は、

  集中力を要するので

  かなり大変でした。

  世界観episode57~慣れぬ環境への苦労①(HSP社会人前編②)

 

 

  間違えてはいけないと

  緊張すればするほど、

  この複写の書類を書き損じる

  ということがありました。

 

  もちろん、

  書き損じは、

  書き損じの直後に気づきます。

 

  「ああ、ああ....!

        またやっちゃった....。

   私のあほう。

   用紙がもったいない....。

   集中、集中....。」

 

  と、落ち込みながら

  気持を立て直して

  一から書き直しです。

 

  そして、

  最後の最後で書き直し。

  再び気を取り直して書くと、

  すぐに書き損じたり、

  気を取り直して書くと

  最後の最後の最後で書き損じたり...。

 

 

  HSS型HSPはプレッシャーに

  弱いという性質があります。

 

  このため、

  間違えた際に次の間違いを

  恐れたり不安になると

  てきめん、

  失敗してしまうのです。


  まさに

  このときの私がそうでした。

  書き損じて、

  さらに落ち込み、

  自己嫌悪し、

  自己肯定感を下げ、

  さらに間違う

  悪循環にはまっていました。

 

  別に私も

  いつもいつも

  駄目だったわけではありません。

  比較的静かなときは

  一発できれいに書類を

  作成していました。

  

  パソコンは、

  複写用紙を使わず、

  用紙は普通のコピー用紙。

  臭いも手触りもきになりません。

  しかも、

  作成したデータは残ります。

  パソコンでは、

  誤入力しても

  一から作成ではなく、

  その部分だけ直せば済みます。

  

  私はすっかり

  気が楽になり、

  間違える率も下がりました。

 

  もちろん、

  うっかりな誤入力は

  環境が全面的に改善された

  訳ではないので、

  なくなっていません。

  

  ただ、

  確認すれば防げます。

  再度の作成にかかる時間が

  圧倒的に短縮されました。

  そして、

  精神的ダメージも

  圧倒的に少なくなりました。

 

  また、

  パソコンの登場のおかげで、

  何より問い合わせに対する

  調べ物が楽になりました。

 

  当時いた職場には

  よく問い合わせの電話が

  かかってきました。

  

  問い合わせは

  直接私の所属が

  担当していないもの、

  官ではなく民でやっているもの、

  多種多様でした。

  

  このため

  電話等で聞き取った

  断片的な内容から

  問い合わせたいことを推測し、

  問い合わせ内容を精査し、

  インターネットで調べて

  対応することが求められました。

 

  そもそも問い合わせにしても、

  インターネットがない時代は、

  調べようがないので

  ある意味

  「わかりません」で済んでいました。

 

  ですが、

  インターネットの登場で、

  情報を検索する手段があるため、

  「わかりません」では

  済まなくなったのです。


 

  当時は

  調べるときの

  代名詞「ぐぐる」の

  検索エンジンgoogleはまだなく、

  yahoo!での検索が主流でした。

 

  この「調べる」にも

  コツがあります。

 

  いかに

  調べたいものに肉薄する

  キーワードを思いつくか、

  検索する際に

  求める情報を

  効率よく得られるような

  順番にならべられるかどうか

   あるいは、

  求める情報の鍵となる情報に

  たどりつけるかどうかといのは、

  調べる者の力量が

  密接に関わります。


 

  このため、

  回答を短時間で

  高確率で拾い上げる私は

  「役に立つ」人間に昇格したのです。

  

  別に私に

  ずば抜けた

  コミュニケーション能力が

  合ったわけではありません。


 

  HSS型HSPの特性に、

  相手の理解力にあわせて

  表現を変えて話すことができる

  ということがあります。

  

  この能力のおかげで、

  検索するキーとなる

  情報を聞き出すことが

  とても得意だったのです。

 

  加えて

  HSS型HSPの、

  「人の役に立つのが好き」という

  特質のおかげで、

  わけのわからない話でも

  もつれた糸をほどくように

  根気強く

  解決することができました。

  

  そして、

  検索するときの

  キーワードを選定するのも、

  HSS型HSPの、

  「物事の本質を突くのが

   長けている」ということが

  大いに役に立ちました。

 

  今にして思えば、

  私が自分の圧倒的な強みを

  開花させられたのは、

  パソコンの時代、

  つまり  

  インターネットの時代が

  到来したおかげです。

 

  このおかげで、

  私は自分に自信を

  少しずつ取り戻すように

  なりました。

 

  この強みは、

  時間が経つほど

  磨かれました。

  

  私自身が

  ネットや本を通じて

  色々知識を仕入れたこと、

  そして、

  思考の論理が、

  検索に合うように

  進化できたからだと思います。

 

  そして何より、

  ネットで調べ物をする際は、

  一人静かに集中して

  できるのが良かったです。

  

  さすがに

  周りの人も、

  自分たちの調べ物を

  協力している際は

  相談等する話し声も

  抑えめにしてくれました。

 

  少しずつ、

  物事は良い方に向かっては

  いましたが、

  このままでいいのかなという思いは

  私の中でだんだん

  大きくなっていきました。

 

  ちょうどその頃、

  姉がアメリカに

  留学することが決まりました。

  

  明日は

  そのことを含め他お話しを

  しようと思います。

  

  

  明日は、下記に続きます。