フォワ・グラと仔牛で 9月の料理上級講座にて | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

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フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

まだまだ暑さの残る9月・・・

と思って準備していましたが、いつもの年よりも

今年は秋が早いみたいです。

 

まず冷たい前菜は

カニをムースにして、

トマト水のジュレをかけて、涼やかな料理にしました。

夏のウニもちょこっと!

 

次の前菜は

先日とても美味しかったメゾン・ミトーのフォワ・グラをポワレにし、

タルティーヌを作りました。

 

カンパーニュとフォワ・グラの間には、

いちじくとポルトーのコンポートを。

 

さて今月の主菜はブルターニュの仔牛のグルナダンです。

グルナダンgrenadinとは、仔牛のフィレや腿肉を筒状にして、背脂で巻き、背脂をぶすぶすと差し込んだもののことを言います。

 

私の辞書には、「その形がザクロgrenadeに似ているから、グルナダンgrenadinという」とあるのですが、

どこがいったいザクロなの〜!?

 

フランスのスーパーやデパートやマルシェには、

背脂で巻いた状態で、売られています。

こんな感じ。背脂がさされているのはあんまり見ないような。

私はなんともいえず、この色、形、存在が好きで、

ちょっと立ち止まって、見入ってしまいます。

 

ポワレやブレゼに。

 

さて、うちのグルナダンには、本来的な背脂をさすことに

します。

 

ラルドワールという、専用の道具で差し込むのですが、

 

もちろん売ってますが、そうそう使うものでなし・・。

で、私は道具屋筋で見つけた竹製の道具(何に使うものなのか??)で代用しています。

 

 




なかなか見事に使いこなされる生徒さん!

すごいです。

背脂シートもあるにはあるのですが、おいしいものじゃないので、生ハムで代用に。

 

さてこれを焼いて、

 




プルーンのチャツネと

生胡椒入りのじゃがいものピュレを積み上げて、

塩レモンを添えました。

 

これは昔学校で習った仔牛料理で、

grenadin de veau citron

をベースにしていて、そのとき

「牛にレモンって!!」

と驚いたのと、

「なんて、おいしいの!」

で再び驚いた、ちょっと思い出の料理なのです。

 

 

さてデザートは名残の桃を使って。

桃とジャスミンティを組み合わせ、シロップ煮にしました。

 

桃のミルクセーキで満たし、

桃のアイスを乗せて!

 

この組み合わせは、8月のお菓子講座でやる気まんまん

だったのに、感染者増大で教室をお休みにしたために、

出来なかったのでした。

 

ようやくすっとした気分です。

最近流行ってる「桃とアールグレイ」の組み合わせにしても

おいしいだろうなあと想像しています。