アプリコットでお菓子を | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

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フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

今月は去年から待ち構えていた「杏のお菓子」を焼きました。

7月後半ではもう長野産ハーコット種は見当たらず、探して探して、青森産が見つかりました!

中の生地にはアプリコットの仁、つまり杏仁のマジパン「カーネルペースト」を使いました。マジパンに似ています。

マジパンはアーモンドを潰して砂糖と合わせてペースト状にしたものですが、これはなんと杏仁から!

考えてみたらアーモンドもアプリコットも同じバラ科、仁も似た感じ! そしてビターアーモンド香は杏仁豆腐の香りに通じますから、なるほど! です。

 

カーネルペーストからもふわふわと杏仁豆腐の香りが漂ってきて、焼き込んでももちろんはっきりと香りが残ります。

マジパンに比べて少しキメは粗く、あっさりと仕上がります。ドイツではよく使われる素材なのだそうです。

 

考えてみれば、杏はなんとエライのでしょうか。アーモンドには果実と呼べるほどの部分はなく黄緑色のビロード状の皮だけですが、杏はこんなにきれいなオレンジの色の果物になり、かつ種の中の仁までが焼き菓子の材料となってくれるなんて!

そういえば私は昔皮膚科で、乾燥防止にアプリコットオイルを処方されたことがあります。

「そういえば、昔スクラブ洗顔って流行りましたけど、あの粒々、アプリコットの殻でした!」

ああ、そういえば!!

「漢方にもあったような」

杏仁は咳や喘息の薬になったそうですし、今も漢方薬に配合されているようです。

いぼ取りによいとか美肌に・・などなどいろんな情報が生徒さんから。

杏って、凄い。だったらもっと手に入りやすくなるように、あちこちで植えてくれたらよいのに!!

 

さてもう一つはマンゴーとパッションのプチムースケーキです。

夏の間違いのない組み合わせ!

小さいながら、ビスキュイ、パッションのジュレ、バニラムース、マンゴームース、グラサージュの5層構造にしています。

 

さておまけは白桃のパフェです。

白桃のソフトクリームにコンポート、ジュレと、白桃だらけに!

今年の桃を堪能しました。

 

こちらは生徒さん作。丸ごとどかんと桃を乗せた方も!