今月はまず自家製のタラマから。トルコやギリシャの料理で、からすみに水にひたしたパン粉を混ぜて作るペーストです。
これは以前パリのカフェで食べておいしかったものを再現したもの。フランスではたらこの燻製をパン粉、オリーヴ油、レモン汁などでつないで作られることが多いようです(スーパーに並ぶピンク色のタラマをいくつも調査した結果)。
というわけで、いつものごとく中華鍋で燻製装置を作り、たらこを温燻にしました。
「へえ!」
というおいしさと驚きが味わえます。
さて前菜は、生徒さんのリクエストにより、帆立のコキーユを作りました。
「昔、ホテルのダイニングで食べた、コキーユを作ってください! 貝殻の回りにじゃがいものピュレが絞ってある、あれ」
たしかにそういうイメージの料理がありました。
しかしフランスのシャルキュトリーやトレトゥールのお店のウインドウを思い出してみても、私にはどうしてもピンと来ません。もちろん帆立の貝殻に帆立を乗せたグラタンはたくさん売られているのです。上にはパン粉と三日月型の小さいパイが乗っていて、お家でオーヴンに入れたらすぐできるものが。でも、じゃがいものピュレで囲むスタイルはあんまり見たことないような・・・・。
しかもその料理をコキーユと呼ぶということも今回初めて知りました(コキーユcoquilleとは本来は貝殻の意味)。ちゃんとフランス料理辞書にのっています。帆立貝のことをcoquille Saint-Jacquesというので、この料理は正確にはcoquille de coquille Saint-Jacquesということなのだろうか・・・・?
ネットでざっと画像検索をかけてみると、ときどきじゃがいものピュレスタイルがでてきます。でももとをたどっていくと、なぜか3件連続でカナダの人に行き着いてしまうのです。もしかして、日本とカナダで生き延びている料理!?
とはいえ、料理自体は単純です。少し手をかけてマッシュルームを底に敷き、モルネーソースをのせ、じゃがいものデュシェスを周りに絞って、オーヴンへ。
「先生、これです、これこれ!」と、とっても喜んでくださいました。
古きよき日本の西洋料理、なのかもしれません。
作ってみると意外にも満足感いっぱいの料理で、「冬が来た!」ことを実感するおいしさ。コキーユっていいものだ、と見直しました。
さて主菜はレシピ本から、牛肉の赤ワイン煮込み、ブルゴーニュ風Boeuf bourguignonです。
フォンを使わず、赤ワインのみで煮込みます。なるべく手をかけないように(カジュアルフレンチ講座ですから)手間を減らしていますが、それでも牛肉とたくさんの野菜とマリネにして、2時間煮込み、漉して・・・とそれなりには大変です。
でも私には、1年に1回は食べないと! という味の一つです。
煮込みはオーヴンに入れたら出来上がりの簡単さがありますが、ゆえに「仕込み命」なところもあって、侮れません。
デザートはタルト・タタンの個人スタイル
生姜のアイス添え
もっと時間をかけて休ませて、りんご自体の持つペクチンを行き渡らせてかっちりと固めたいところですが、教室の時間内ではそうもいかずちょっと残念です。
1晩休ませると、こんな感じに。
しかし、タタンもやっぱり私には1年に1回は食べたい味の一つ。今シーズン分が、ようやく作れて満足でした!
来月のデザミ講座は2月3日4日の予定です。