1月11日(金)12日(土)
1月の料理連続講座にて
自家製サーモンの燻製、グラブラックスソース添え saumon fume a la maison poele, sauce gravlax
今月のアミューズ・ブッシュは
カリフラワーのカヌレ cannelle de chou-fleur
もちろんアミューズなので、甘いカヌレではなくて、カヌレ型というだけです。
カリフラワーを蒸してピュレにし、パルメザンやカイエンヌペッパーを加えてフランにしています。
「なんだか、ちょっとたこ焼きみたい!」
周りがかりっとして、中がとろんだったので、たこ焼きを彷彿とさせる味に・・!
さて前菜はサーモンを軽く燻してからポワレにします。
今回はナラのチップで香りを入れます。魚介に向くあっさりすっきりめの香りが入ります。
げほげほするくらいに煙がたったらガスを止め、ボウルで蓋をしてしまいます。ほんの10分で完成。
あとはガスで半生になるように軽く火を入れます。
そしてアネットを加えたグラヴラックスソースsauce gravlaxを添えます。これはもともとはフランス料理のソースでなく、北欧由来です。
グラヴラックスとはサーモンを塩や砂糖、アネット、アクアビット、ウォッカなどでマリネにした料理で、これに添えるのがアネットで作ったソース・グラヴラックスです。
サーモンの下にはじゃがいもを粗く潰したエクラゼにワサビをすり下ろして入れてみました。
pomme de terre ecrase au wasabi
わさびはもうすっかりフランスではよく使われる素材で、フランス語ではle wasabiです。定冠詞がルということはつまりワサビは男性名詞なのです!
どうして? だれがわさびは男性だと決めたのでしょう!
日本から入ってきた、フランスにとって新しいものはleになるようですが、つまりは日本自体がle japonと、男性形だから。でもそれではどうして日本はleなのでしょう。どうしてフランスはla franceと女性形なのでしょう。考えても分かりません・・。
さてもう一つの添えには、長ネギのピュレを添えました。
滋賀でシェフをしている同級生が、「おいしいから、使ってみて!」とくれたもの。
滋賀県産「安土信長ネギ」は惚れ惚れするくらいつやつやとして、とても立派です。
ピュレがいいという彼の助言に従って、作ってみました。
太い1本から、たったの大さじ3くらいになるまで煮詰めると、それはそれは甘くておいしいピュレになりました
「お砂糖を入れたのかと思いました!」
とみんなが言うくらいです。長ネギがこんなにフランス料理になるとは知りませんでした。
和素材のよさに目を向けてみようかと思い初めました。
さて主菜はガスコーニュ地方の郷土料理「ガルビュールgarbure a la gascognne」を作りました。
ガルビュールとは白いんげん豆や野菜、鴨のコンフィや豚の塩漬け肉などを煮込んだ、具だくさんのスープのことです。
まずは塩漬けにした鴨脚をガチョウ脂でじっくりとコンフィにします。
白いんげん豆やベーコン、コンフィ、カブやにんじん、キャベツと一緒に煮込みます。
素朴な素朴な地方料理です。華やかさはありませんが、滋味深いおいしさが味わえます。
さてスープをいただくとき、最後のほうには赤ワインを加えて飲みます。
シャブロchablotといって、ペリゴールのあたりでは薬効があると信じられていたのだそうです。そもそも私はこれがやりたくて、授業にガルビュールを登場させたのでした!
(シャブロについては、過去のブログをどうそ)
みなさんにもおすすめしてみました。
「悪くないです!」と楽しんでくださる方から、「・・・・・・」と終始無言の方も。
私はけっこう好きなのです・・。
さてデザート
自由に膨らませたフィユタージュによるミルフィーユ、りんごとキャラメルで
mille-feuille aux pommes et au caramel
先日伊吹の「レストラン・ベルソー」で出していただいた、フィユタージュとりんごの組み合わせがとてもおいしかったのです。そのフィユタージュは通常のように板を乗せてまっすぐがしっと焼いてしまうスタイルではなく、のびたいようにのびのびと膨らませたタイプだったのです。
「フィユタージュ×りんご」はなんということのない組み合わせなのに、びっくりするくらいおいしくて、山のように食べた後でもすいすいとお腹に収まってしまいました。
というわけで、そのやり方をお借りし、キャラメルと組み合わせて今月のデザートに仕立ててみました。
のびのびタイプなので、食べるときはなお一層崩れます。
ばりばりと壊して、食べたいように召し上がっていただけますよう!