カスレの話題 | 塚本有紀のおいしいもの大好き!

塚本有紀のおいしいもの大好き!

フランス料理とお菓子の教室を開いています。おいしいものにまつわる話し、教室での出来事など、たくさんお届けします。
 

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来月の料理連続講座はカスレにしようと思っています。

カスレはフランスの南の方、ラングドック地方の伝統地方料理です。白いんげん豆を羊や鴨、豚肉と一緒に煮込んだもの。写真はオーヴンに入れる前ですが、この後パン粉とガチョウの脂をちらして、焼き上げます。
ちょっと、いえ、相当にぼってり重たい料理ですが、冬にはときどき食べたくなる味なのです。

もともとはカステルノ-ダリ-Castelnaudaryで発生し、カルカッソンヌcarcassonne、次にトゥールーズへと派生していったのだそうです。それぞれ使う材料が少しずつ違います。

先日カルカッソンヌのお土産にカステルノーダリーの白いんげん豆のお土産をいただいたので、これはぜひとも作らねば!の気持ちにようやくなりました(いずれやろうと思いつつ、ずっと棚上げ状態)。

しかしこれがちょっと大変なのです。
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まず豚バラ肉を塩漬けにしてプチ・サレを作り、これをいんげん豆と一緒に茹でていきます。


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鴨脚は塩漬けにしてガチョウの脂でコンフィに。


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羊もオーヴンで煮込み、全部を合わせてオーヴンへ。
トゥールーズのソーセージsaucisse de Toulouseが欲しいのですが、似たものを探すのもなかなか大変そうです。

本当は一週間くらい寝かしたほうがおいしい、とパッションさんに教わりました。代官山のパッションさんはカルカッソンヌのご出身で、「カスレの騎士」であり、普及活動につとめておいでです。

あんまりにも重たくて、あんまりにも大変なのに、きっと喜んでくださる方は少ないだろうなあ・・・と思い、ずっと避けてきましたが、結構意外にも楽しみにしてくださる方があり、ちょっとびっくりしています。

カスレは、茶色い陶器の器cassolleからできた言葉ですから、やっぱり器も探さねば!