仏足石歌碑の歌 | 雪太郎の「万葉集」

雪太郎の「万葉集」

私なりの「万葉集」解釈
カレンダー写真は「鴻上 修」氏撮影

 御足跡作る石の響きは天に到り地さへ揺すれ父母がために諸人のために

  薬師寺 仏足石歌碑

 父母のためにまた衆生のために仏足跡を刻む、その石の響きは天地を震わせ(諸天諸仏も感応あれ)と祈ろう

「仏足石歌」は(五七五七七七)という独特の形式の歌です。

 日本最古の「仏足石」(仏足跡)は薬師寺の(大講堂)にあり国宝です。天平勝宝五年(753年)に天武天皇の孫の「文室智努(ふんやのちぬ)」が亡き夫人のために建てたと言われています。傍らに「仏足石歌碑」があります。黒色の板状の粘板岩でできています。(仏足石を賛美する歌)と(仏教の教え)を詠んだ歌があります。この歌は「仏足石歌碑」に刻まれた21首の第一番目の歌です。歌の作者は不明です。

「仏足石」は、釈迦シバ神の足跡を石に刻み信仰の対象としたものです。両足を揃えたものがより古い形で片足のものは比較的新しいものだそうです。古代インドでは像を造る習慣がなかったため「仏足石」などで釈迦仏陀を表現したのだそうです。

 紋様により「千幅輪相」「足下安平立相」「足下二輪相」「長指相」「手足指網相」などの種類があります。